【セクシュアルハラスメントとは】意味・事例・企業への影響・対策方法

ニュースで取り上げられることの多いセクシュアルハラスメント。不必要に性別・年齢・プライベート・容姿に関する発言をしたり、身体に触れたりする性的な嫌がらせ行為を指します。

 

セクハラは被害者本人だけでなく、会社にも大きな損害を与えるハラスメントです。

 

みんなが安心して過ごせる職場環境を作るために、セクシュアルハラスメントの意味・事例・企業への影響・対策方法を深く理解して、対処していきましょう。

目次

セクシュアルハラスメントとは

セクシュアルハラスメント、通称セクハラとは、性的な嫌がらせのこと。不必要に性別・年齢・プライベート・容姿に関する発言をしたり、身体に触れたりする行為を指します。

 

一般的に男性から女性に対してのイメージが強いかもしれません。しかし女性から男性、同性同士でも行われる場合もあります。

 

「セクシュアルハラスメント」の言葉が広まったきっかけは、平成元年(1989年)に国内初のセクハラを理由とした民事裁判が起こされたこと。

 

さらにその年「セクシュアル・ハラスメント」が新語・流行語大賞の新語部門金賞を受賞し、「セクシュアルハラスメント」は世間に浸透していきました。

 

それ以降セクハラに対する社会意識が高まり、現在ではセクハラに関する法律も制定されています。

 

しかしセクハラと感じる基準は人それぞれなためセクハラは判断が難しく、まだまだ泣き寝入りしている人も少なくないのが現状です。

具体的なセクシュアルハラスメントの事例

セクハラは大きく2種類に分けられます。

対価型セクハラ

1つ目が対価型セクハラ。これは職務上の地位を利用して性的な関係を強要し、 それを拒否した人に対し減給や降格などの不利益を負わせる行為です。(引用:法務省 セクシュアル・ハラスメント)

 

2017年に「#Me Too運動」が始まったのも、ハリウッドの映画プロデューサーが女優たちに対価型セクハラをしていたことがきっかけでした。

例えば・・・

 

・上司に「デートしてくれたら昇給させてあげる」と言われる。

 

・先輩と2人での食事を断ったら、職場で無視されるようになった。

 

・上司と一度食事に行ったら、付き合っていると勘違いされるように。関係を断ると「会社を辞めろ」と言われた。

環境型セクハラ

2つ目が環境型セクハラ。これは性的な関係は要求しないものの、職場内での性的な言動により働く人たちを不快にさせ、職場環境を損なう行為のことです。(引用:法務省 セクシュアル・ハラスメント)

例えば・・・

 

・「相変わらず色気があるね」「スタイルが良いね」などと毎日のように言われる。

 

・「〇〇さんは複数の人と関係を持っているらしい」と恋愛関係について根拠のない噂を流される。

 

・「そんなんだから彼女/彼氏できないんだよ」「男なのに弱々しい」と悪口を言われる。

 

・常に性的な話をしている社員がいて、仕事に集中できない。

 

・営業先から「可愛いから次も〇〇さんを連れてきてほしい」と頼まれる。

セクシャルハラスメントによる企業への損失

セクハラは被害を受ける側だけでなく、会社に対しても大きな損失をもたらします。

社内環境の悪化

セクハラが頻繁に起きるような状態では、社内環境・人間関係がどんどん悪化していくでしょう。

 

セクハラは、被害者を含めその場で働く全ての人たちに心理的な悪影響を与えます。目の前でセクハラを同じ会社のメンバーがされているのは、見ていて気持ちがいいものではありません。

 

またセクハラを面と向かって注意するのは勇気が必要。「注意したら次は自分がターゲットになるのではないか」とストレスは溜まるばかりです。

 

問題が小さなうちに解決しなければ、それはやがて社内風土として定着してしまい、取り返しのつかないことになるでしょう。

社員のモチベーション低下

セクハラが原因で「会社に行きたくない」との気持ちが強くなれば、それは業務へのモチベーションにも悪影響を与えます。

 

仕事効率も下がってミスも増え、サービスの質やクライアントへの対応などにも支障が出るでしょう。

社員の定着率の低下

悪い職場環境では働きたくないもの。セクハラにより職場環境が悪化すると、それに伴い働く人の定着率は低下。

 

優秀な人材も次々に辞めていき、会社が崩壊する可能性もあります。

企業イメージの悪化

改正男女雇用機会均等法により、会社は雇用管理上セクハラ対策として必要な措置をとることが義務に。

 

また、行政からの是正勧告に応じない場合は、厚生労働大臣はその旨の公表をすることができるようになりました。

 

それによりセクハラが起きた会社はイメージ悪化につながり、大きな経済的ダメージを受けるのです。

直接的責任

セクハラは、法的に訴えられる可能性の高いハラスメント。

 

ケースによっては使用者責任が問われ、加害者本人だけでなく会社にも損害賠償責任が生じる場合もあります。(参考:法務省 セクシュアル・ハラスメント)

企業向けセクシュアルハラスメント対策

被害者本人だけではなく、会社にも大きな損失を与えるセクハラ。まずは会社としてセクハラの起こりにくい職場づくりを行っていきましょう。

Step1.会社としての方針を明確に定める

会社のトップが職場のセクハラをなくす意思と方針を打ち出すことで、従業員のセクハラに対する意識も育まれます。

 

従業員の行動に繋げるため、「どのような行為がセクハラに当たり、どのような罰が下されるのか」「なぜセクハラはあってはならないのか」を明確に伝えましょう。

 

セクハラは判断基準が難しいため、明確な基準が大切なのです。

Step2.セクハラに対する規則を作る

セクハラを防止するために何をしていくのか、セクハラ加害者に対してどのような罰を下すのかなどの規則を決め、従業員に周知します。

 

セクハラ対策委員会や相談窓口も合わせて定めましょう。セクハラが社内で起こってしまったときに、迅速な対応ができるようにすることが大切です。

 

またセカンドハラスメントを防止するためにプライバシー保護の観点も忘れずに。

 

※セカンドハラスメント:ハラスメントの被害を受けた人が相談したり援助を求めたりした際に、相談した相手や周囲の人たちから責められたり、被害を軽視されたりなどのハラスメントを受けること。

Step3.対策を実行する

会社方針や規則の作成などの準備を整えると共に、セクハラ防止の研修を行いましょう。

 

セクハラを防止するには、正しい知識をインプットすることが大切。知識がなく無意識のうちにセクハラをしてしまうこともあるのです。

 

定期的に研修を行い、従業員全員がハラスメントリスクを常に意識できている状態を作りましょう。

Step4.定期的に調べる

定期的に、社内でセクハラが起きていないかを調べましょう。匿名アンケートがおすすめです。

 

アンケートを行うことで、社員にセクハラへの問題意識を思い出させることができます。また、当事者が言い出しやすい環境を作ることができるでしょう。

加害者にならないために

自分は良かれと思ったことが、セクハラになってしまう場合もあります。ハラスメントの中でも、セクハラは無意識のうちにやってしまい問題になることが多いのです。

 

意図せず加害者になってしまわないように、対策していきましょう。

セクハラに関する正しい知識を身に着ける

まずはどのような行為がセクハラに当たるのか、正しい知識を身につけることが大切です。

 

「髪型を褒めただけなのに・・・」と自分は良かれと思ったことがセクハラになってしまうことも。本やサイトから正しい情報を得ましょう。

 

性別・年齢・プライベート・容姿に触れる発言は避ける

「最近知り合ったばかり」など、関係が不確かな相手への性別・年齢・プライベート・容姿に触れる発言は避けるようにしましょう。

 

相手に質問するのではなく、まず自分からのプライベートの話をして信頼関係を築いていくのもいいですね。

 

「それに触れないと話題がなくなる」と思っている人がいるのなら、これを機に会話のネタを増やしましょう。

不必要に身体に触れない

不必要に他人の身体に触るのはやめましょう。気の許した相手ならいいですが、それ以外の人に身体に触れられるのは不快なもの。

 

「何度呼んでも返事がないので肩をたたいた」「通りすがりに手がぶつかってしまった」なら気にする人も少ないでしょう。

 

しかしわざわざ「髪キレイだね」と髪に触れたり、話すとき必ず肩に手を回したりするのはセクハラです。他人の体に不必要に触れないように気を付けましょう。

被害者にならないために

セクハラは、100%加害者が悪いと言える行為です。もし万が一被害者になったとしても、自分を責める必要はありません。

 

しかし社会的に問題視されセクハラに関する法律ができてもなお、まだセクハラは起きているのが現状です。そんな社会で自分の身を守るために対策方法は知っておきましょう。

セクハラに関する本をデスクに置く

セクハラに関する本をデスクに1冊おいておきましょう。それを見てセクハラ加害者は「あの人にセクハラしたら危険だ」と思い、セクハラをしてくることはないでしょう。

 

1冊だけでも「セクハラ対策してます」とアピールするには十分なのです。

自主的にセクハラ対策のコミュニティをつくる

会社がつくる対策委員会とは別に、先輩や同期と団結してセクハラ対策のコミュニティをつくるのもおすすめです。

 

もしセクハラの被害に遭ったとしても、話を聞いたり助けてくれたりする仲間がいると思えるだけで、職場での安心感は大きく変わるはず。

 

またセクハラをする人もセクハラの監視の目が広がれば、怖くて何もできなくなるでしょう。

セクハラへ立ち向かう意思を表明する

FacebookやTwitterなどのSNSを利用して、「私はセクハラに負けない」との意思を表明していきましょう。

 

本を置くことと同様にセクハラをする人に「あの人にセクハラしたら、訴えられる」と思わせることができます。

 

「#Metoo」のハッシュタグをつけて投稿するのもいいですね。

セクシュアルハラスメントの対処法

もしセクハラにあってしまったら以下の手順に沿って対処しましょう。

Step1.記録する

辛いかもしれませんがセクハラされた事実を録音や録画、日記などのメモで残しておきましょう。

 

メモの場合は録音や録画よりも信頼性が薄くなってしまうので、5W1Hを欠かさず具体的に書いておくことが大切です。

 

セクハラは法的に訴えることのできる可能性の高いハラスメント

 

法的措置に助けを求める場合、証拠は重要となるので明確にのこしておきましょう。周りの人たちに協力してもらい、ハラスメント現場を録画や録音してもらうのも良いですね。

Step2.周囲に相談する

1人で悩まず、同僚や先輩、友人、家族などに相談しましょう。我慢してしまうと、セクハラはどんどんエスカレートする可能性があります。

 

セクハラされたとき、自分を責める必要は全くありません。1人で解決できるケースは少ないので「これセクハラかな?」と思った早い段階で周りに救いの手を求めてください

Step3.会社の窓口や人事に相談する

個人で解決策が見つからなければ、組織に頼りましょう。異動させてくれたり、加害者に対し処罰を下したりしてくれるかもしれません。

 

ただしセクハラはセカンドハラスメントに繋がりやすいので、もし不安があれば外部の相談窓口を利用しましょう。

Step4.法的措置に訴える

セクハラは法律によって禁止されているので、最悪の場合法に訴えることもできます。

 

裁判による心的負担は少なくはないですが、セクハラに毎日耐える方が辛いことも。最終手段として選択肢に入れておきましょう。

セクシュアルハラスメント以外にも!あなたはいくつ知ってる?職場で起こり得るハラスメント

セクシュアルハラスメント以外にも、職場ではさまざまな種類のハラスメントが起こり得ます。例えば以下のハラスメントを知っていますか?

「自分は大丈夫」と思っていても、知識不足だと被害者にも加害者にもなる可能性が高まります。被害者、そして加害者にならないように、以下の記事をぜひチェックしてみてください。

関連【ハラスメント大全2022】職場で起こる40種類のハラスメント一覧

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