キャリアとは何か?たった3種に整理可・役立つ理論3個・新用語12種【意味・定義】

キャリアって何

キャリア(career)とは、一体何を意味するのでしょうか?働くこと、職業、経歴、人生…人それぞれ、様々な解釈を持っています。

 

また、キャリアプラン、キャリアデザイン、キャリアアップ、キャリアチェンジ、キャリアショック…多数ある派生用語はそれぞれ、何が違うのでしょうか?

 

「キャリア」の定義・使われ方・構成要素・派生用語・理論の大枠をざっくりと理解し、あなたの”働く”をアップデートしてみましょう。

 

本記事のまとめ

キャリアの意味・定義

厚生労働省は、キャリアの定義を以下のように解説しています。

「キャリア」とは、過去から将来の長期にわたる職務経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指すものです。「職業生涯」「職務経歴」などと訳されます。

厚生労働省『キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント』

 

文部科学省が公開しているキャリアの定義も見てみましょう。

「個々人が生涯にわたって遂行する様々な立場や役割の連鎖及びその過程における自己と働くこととの関係付けや価値付けの累積

文部科学省『キャリア教育の意義と内容』

 

ここから読み取れるキャリアの特徴は、以下2つ。

❶人生という「長いスパン」で考えるもの
❷「点」ではなく「連続するプロセス

キャリアという言葉は、広義に「人生」「生き方」を表し、「就職」「転職」「出世」「今の仕事」などは、キャリアを形づくる”いち要素でしかない”ということがわかります。

外的キャリアの意味・定義

外的キャリア

狭義で使われるキャリアが意味するのは、「履歴書に記入できる情報」です。これを「外的キャリア」と呼びます。外的キャリアに含まれる項目を挙げてみました。

社歴
:これまでどんな会社で働いてきたのか?

転職回数
:過去の会社に何年間勤めたのか?何社努め来たのか?

経歴
:どんな職種/業種/職位を経験しているのか?学歴は?

能力/スキル
:何ができるのか?どんな専門性があるのか?
年齢

:成長は見込めるか?
人脈・影響力
:SNSのフォロワーはどれくらい?優秀な知り合いは多い?

外的キャリアに含まれる情報は、人材の”市場価値“を判断するための基本情報です。シンプルに「外的キャリア=人材情報」だと認識しておいても良いでしょう。

 

 

また、履歴書に書くことはなくとも、SNS等で知ることができる「人脈」「影響力」も、重要な外的キャリアの一つです。

 

最近では、Twitterのフォロワー数が人事採用の結果に影響することもあるほど。他にも、社員の紹介を通じた人事採用「リファラル採用」が活性化しています。「人脈」と「影響力」の重要度は、今後ますます上がっていくはずです。

 

 

外的キャリアにこだわりすぎてはいけないワケ

内的キャリアの意味・定義

内的キャリア

一方で、広義のキャリアには、より内面的な“価値観・動機・想い”、そこから生まれる“習慣・態度”が含まれます。

 

 

以下のような具体例を挙げてみました。

価値観・動機・想い
:大学教育に携わりたい
:革新的なプロダクトをつくりたい
:東南アジアの発展を助けたい

 

習慣・態度
:知人と教育をテーマに話す機会が多い
:IT関連の最新書籍を読む
:東南アジア関連のセミナーに参加する

これらは”内的キャリア“と呼ばれ、目に見えやすい外的キャリアとは対照的に「見えにくい」特徴があります。

 

また、キャリアにおける様々な選択を決定付けるのも、自身の根底に根差す内的キャリアに違いありません。

 

 

内的キャリアを探る11個の質問リスト

キャリアに影響を与える外的要素

キャリア 外部要因

外的キャリアも内的キャリアも、”個人に関わる”キャリアの要素ですが、一方でキャリアには、”個人ではコントロールしにくい”外的要素もあります。6個の例を挙げてみました。

①景気(社会/働く業界)
②健康状態
③雇用状態
④家族/家庭状況
⑤居住地
⑥自然災害

どれも自分の意思とは関係なく、変化が生じるもの。ポジティブにもネガティブにも働く可能性があります。

 

 

変化が読めない要素ではありますが、全てキャリアに大きな影響を及ぼす可能性があるものです。あらかじめ理解をした上で、以下のような心構えを持っておきましょう。

・20代のうちから運動習慣をつくっておこう。健康でないと、挑戦したい仕事も限られてしまうよな。

 

・成長市場を追っておこう。景気に左右され、給料が下がる業界は避けなければ。

 

・地震のリスクが少ない場所に住もうかな。保険も確認しておこう。

 

・5年後までには、子どもを授かりたい。そうなると、育児制度が整った会社の目星を付けておかなきゃな。

・異動が多いと家庭を持ちづらいかもな。

今、あなたのキャリアに影響を与えている外的要素はありますか?どんなリスクが起こり得るか、どんな準備が必要か、事前に整理しておきましょう。

キャリア関連の用語【一覧・解説】

「キャリア」という言葉が含まれるキャリア関連用語を全部で13個紹介・解説していきます。

 

自分のキャリアに合った考え方を参考にしてみてください。

①キャリアデザイン

キャリアデザインとは、「理想のキャリアを設計」することです。職業・働き方だけでなく、経験・スキル・性格・ライフスタイル・価値観など、内面的な要素も加味する必要があります。「キャリアプラン」よりも広義的な意味で、”どう生きるか?”のニュアンスが強いです。

※「キャリア設計」と呼ばれることもあります。

 

キャリアデザインは意味ない?即実践4ステップ

②キャリアアップ

キャリアアップには2つの意味があります。

①特定分野の知識・スキルを向上させ、経歴を上げること。

 

② より高い地位、より高い給料が得られる転職をすること。

“市場価値の高い経歴を積み上げていくこと”と、まとめられます。昇進、昇給、非正規雇用から正社員雇用も、キャリアアップの一つとされることが多いです。

 

キャリアアップとスキルアップ【事例集】

③キャリアチェンジ

キャリアチェンジとは、未経験の業界・職種・職務に移ることを指します。転職時だけでなく、会社内の異動時に使われることも。

 

一時的に給与が下がる、最初の負担が大きい、などのリスクが生まれやすい一方、新しい挑戦ができる、キャリアを一から作り直すことができる、などのメリットがあります。

 

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④キャリアプラン

キャリアプランとは、「理想のキャリア実現に向けた計画を立てる」ことを意味します。

・将来は何をしたいか?
・どんな人で在りたいか?
・そのためには、どんな経験が必要か?
・いま、何をしておくべきか?

段階的なステップを描き、具体的な行動がはじめられる準備、とも言い換えられます。人生計画のニュアンスが大きい「キャリアデザイン」よりも、職業人生のニュアンスが大きい点を覚えておきましょう。

 

キャリアプラン【読んですぐ真似できる例文

⑤プロティアン・キャリア

プロティアン・キャリアは、「環境の変化に応じて自分自身も変化させる柔軟なキャリア」を意味するキャリア理論の一つです。(アメリカの心理学者ダグラス・ホール提唱)

 

地位や給与を重視し、いち組織内でのステップアップを中心に考える従来のキャリア像とは異なり、自己成長「自分は何がしたいの?どうなりたいの?」を大事に”主体的”な生き方を問うキャリアづくりを目指します。

 

プロティアンキャリアに対する世間の評判

⑥スラッシュキャリア

スラッシュキャリアとは、「複数のキャリアやスキルを持つ」ことを指します。Twitter・InstagramといったSNS上のプロフィールに記載する /(スラッシュ)をイメージしてみてください。

例:

大学イギリス研究/映画/ライター
マーケティング/動画作成/旅

97.7%がSNSを利用しているミレニアル世代には馴染み深いキャリアの築き方かもしれません。

 

スラッシュキャリアを築く6つの手段

⑦キャリアショック

キャリアショックとは、「社会・環境の変化によって描いてきたプラン・積み上げてきたキャリアが予期せずに崩れる」ことを意味します。

・残業禁止で収入が減り、住宅ローンが払えなくなる
・定年が早まり転職するも、大幅な収入減

キャリアショックのさらに詳しい解説は以下の関連記事をご覧ください。

 

【衝撃3エピソード】キャリアショックの事例

⑧キャリアドリフト

キャリアドリフトとは、事前に細かく計画するのではなく、目の前で起こる偶然のできごとを受け入れ、柔軟性重視でキャリアをつくっていく考え方です。

 

キャリアドリフト実行4ステップ

 

「自分は絶対に○○を目指す!」と明確な目標を持っていなくても、

・会社内で様々な業務を体験
・人伝えで様々な人と巡り合う
・友人に勧められたイベントに参加してみる
・興味が掻き立てられるニュースを読む
・YouTubeの動画で魅力的な仕事を見つけた

偶然の起こった出来事に「面白いな」「奥が深そうだ」「勉強になるな」「深刻そうだ」と、いろいろな感情を抱き、行動に移し、キャリアづくりの過程で”回遊を楽しむ”感覚を持つことこそが、キャリアドリフトの考え方になります。

 

キャリアは偶然がつくりあげていることを提唱した理論『計画された偶発性理論』(スタンフォード大学クランボルツ教授)でも、キャリアに満足している人は、偶然を積極的につくりだし、自分の可能性を広げ続ける姿勢を持っていることがわかっています。

 

また、キャリアの偶然をつくるポイントは以下5つ。

①好奇心
②持続性
③楽観性
④柔軟性
⑤リスクを取る姿勢

カンタンにまとめると、「変化を恐れず、新しいことを受け入れ続ける探求心」を持ちましょうということ。

人生とは、10%が我が身に起こること。そして残り90%は、それにどう対応するかだ。

-ルー・ホルツ(アメリカンフットボールコーチ)-

⑨プラチナキャリア

プラチナキャリアとは、”年齢に関係なく自律的に学び、必要なスキルを習得。そのスキルを活かして社内のみならず広く社会に目を向けた課題解決を目指すキャリア像”を意味します。

長期的視点
自律的な学び
社会貢献意欲

上記3点がポイントです。

 

このプラチナキャリアを浸透させるべく、プラチナキャリア・アワードという賞も設けられています。

⑩ポートフォリオ・キャリア

ポートフォリオ・キャリアとは、複数のキャリア(肩書き)を持ったキャリア形成を意味します。(「複数の名刺」を持つ、と表現されることも)

 

サブの意味を持つ”副業”ではなく、メインを二つ持つ”複業”を持っている方をイメージすると良いでしょう。ポートフォリオ・キャリアを歩む人のことは、「ポートフォリオワーカー」と呼ばれることも。

 

ポートフォリオ・キャリアを歩む人の例は以下の通り。

・大学教授をしながらコンサルタントとして起業をしたり、複数の取締役のポジションについたりする人

・企業の人事担当でありながら、キャリア形成支援の団体に参加し、また、子育て×キャリアのメディア運営をしている人

ポートフォリオキャリアを歩む5つの利点

⑪キャリアサバイバル

キャリアサバイバルとは、「個人のキャリアを考える際には、環境(時代の変化)・組織ニーズを分析することが重要である」ことを意味します(エドガー・H・シャイン提唱)。

環境・組織ニーズの例

現在特に問題視されている社会問題は?
現在需要が伸びている人材の特徴(性格・スキル・能力)は?
現在注目されているサービス・企業は?
現代的とされる働き方は?
会社が抱える重要課題は?
会社から任されている役割は?
会社から期待されている成果は?
会社が求めている人材の特徴は?
会社がこれから抱えるであろう問題は?

キャリアサバイバルを考える上でチェックしたい5項目

⑫キャリアアンカー

キャリアアンカーとは、個人のキャリア選択に欠かすことができない”絶対に譲れない軸”(価値観・欲求・動機・能力など)を意味します。

❶専門・職能別タイプ

❷全般管理タイプ
❸保障・安定タイプ

❹起業家的創造性タイプ
❺自律と独立タイプ

❻奉仕・社会貢献タイプ
❼純粋なチャレンジタイプ

❽ ワーク・ライフ・バランスタイプ

詳しくは、8つのタイプの解説・60個の職場条件リストをご覧ください。

⑬キャリアパス

キャリアパスとは、企業内で目指すポジション・職務に就くまで道筋(必要な経験・スキル・知識・資格など)を描いたものです。

 

明確になっていれば、将来の不安を払拭させることができます。働く意欲(主体性・自主性)を発揮させるためにも欠かせません。

 

キャリアパスは、「働く人が安心して仕事に取り組むための道しるべ」とも言えるでしょう。

 

キャリアパスを明確にしない5つのリスク

現代に馴染むキャリア理論

キャリア理論は、すべての働く人に役立つわけではありません。人それぞれ、「活用しやすいキャリア理論」と「活用しにくいキャリア理論」があるのです。

 

そこで数多くあるキャリア理論の中でも、現代に合っていて参考にしやすい3つのキャリア理論を紹介します。

計画された偶発性理論
4Sトランジション・モデル
キャリアアンカー

3つのキャリア理論が掲げるポイントは、キャリア理論一覧[要点おまとめ大全]内で解説しています。

 

業界・職種・習慣・価値観などををもとに、

自分のキャリアには、どのキャリア理論が参考になるだろうか?

という目線を持ちながら読んでみてください。

キャリアを振り返る方法3×3

キャリアを振り返る

自分のキャリアを振り返る軸は以下の通りです。

時間軸
①過去
②現在
③未来

 

will-can-must

①やりたいこと(will)
②できること(can)
③やるべきこと(must)

これらを掛け合わせると、以下のような問いが考えられます。

「3年前の自分は、何ができたのだろうか?」
「学生の時は、どんなことが好きだったっけ?」
「今の自分は、どんな能力を持っているだろうか?」
「今の自分がやらねければいけないことってなんだろう?」
「今の自分は、どんなことを大事にしているだろうか?」
「10年後は、どんな人間でありたいか?」
「15年後は、どんな分野に関わっていたいか?」

キャリアを形づくる外的キャリア、内的キャリア、外部要因を加味して、できるだけ多くの視点で考えてみましょう。

外的キャリア
社歴
転職回数
経歴
能力/スキル
年齢

 

内的キャリア
価値観・動機・想い
習慣・態度

 

外部要因
景気(社会/働く業界)
健康状態
雇用状態
家族/家庭状況
居住地
自然災害

まとめ

キャリアの意味を知ることは、自分のキャリアを見つめ直す手段でしかありません。次のステップは【キャリアを考える】ことです。

 

本記事のまとめ

  • 履歴書に書ける情報「外的キャリア」がある
  • 広義には、価値観・想い・習慣「内的キャリア」を含む
  • 家庭・景気・健康「外部要因」も忘れてはいけない
  • 【過去・現在・未来】【will・can・must】で整理する

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