気象予報士
公開日
2021.11.17

気象予報士

気象予報士とは、気象に関するさまざまなデータを収集し、天気の予想を行う職業です。

具体的には、気象庁からの観測データ、気象レーダー、ひまわり、アメダスなどの情報を分析し、地域の特性や地形も踏まえて天気、気温、湿度、降水確率などを予測します。

気象予報士になるためには、国家試験の気象予報士試験に合格し、気象庁に登録することが必要。試験の難易度は高く、合格率はわずか5%程度の難関です。

テレビやラジオの天気予報で活躍するお天気キャスターのイメージが強い気象予報士ですが、それ以外にもさまざまなビジネスで活躍し、人々の生活を気象予報を通じて支えています。

評価・満足度

総合評価 3.0
平均年収
550万円
最高年収
1,000万円
やりがい
3.0
給与・年収
3.0
専門性
3.0
将来性
3.0
休日・待遇
3.0

気象予報士の主な仕事内容

普段からテレビで目にすることが多い気象予報士。実際はどのような仕事に携わっているのでしょうか。以下に詳しく解説します。

放送業界での気象予報

気象予報士の仕事としては、まず身近なところでテレビやラジオでのお天気キャスターが挙げられるでしょう。

気象予報士の資格のないアナウンサーやタレントが原稿を読むこともありますが、最近では気象予報士がキャスターとして解説するケースも増えています。天気のスペシャリストだからこそのコメントや天気にまつわる役立つ情報を提供できることが強みです。

また、お天気キャスターが読んでいる原稿を作成しているのも、裏方で支えている気象予報士。お天気キャスターは気象予報士の資格がなくても務まりますが、原稿の作成は気象予報士にしかできません。

企業への情報提供

気象予報士は、民間の気象会社に所属して、気象庁から提供される気象レーダー、ひまわり、アメダスなどの観測データを基に気象情報を分析し、天気や気温、湿度、降水確率を地域ごとに予測。

そして予測したデータを仕事が天候に左右されやすく、気象情報を必要としている企業に提供します。

例えば、季節によって売れる商品が変わる飲食業、天気や風速、潮の流れが仕事に影響する漁業や農業、季節や気温によって売れ行きが変わる小売業や物流、天候によって混み具合が変わるレジャー・スポーツ施設や旅行業、天気によって仕事の進み具合が変わる工事現場や建設業など。

あらゆる企業が気象予報士からの情報をもとにビジネスを展開しているのです。

公的機関での気象予報

気象庁で働く気象予報士もいます。気象庁では、気象の観測や予測はもちろん、地震や火山、水害・津波などについての情報・観測も対象です。災害に関する注意喚起や警報を出して災害が起きるのを予防するのも気象庁の役割。

気象庁で働くのに必ずしも気象予報士資格は必要なく、国家公務員採用試験に合格する必要があります。しかし気象予報士の資格を持っていると役立つ知識も大いにあるでしょう。

また、自衛隊の気象隊と呼ばれる組織にも気象予報士は勤務しています。中でも特に気候に左右されやすい航空自衛隊や海上自衛隊のために気象データを厳密に解析し提供する予報官として活躍しているのです。

自治体への情報提供

地域密着型の民間気象会社に所属して、各自治体のために情報提供をしている気象予報士もいます。

例えば台風やゲリラ豪雨の際は、今後の経路や降水量などを予測。洪水や土砂災害などの被害を抑えるために注意喚起したり、避難勧告を出したりと、地域とその住民を守るために気象データの解析や情報提供を行っています。

気象庁がカバーしきれない局地的な気象予報をするためには、気象に関する知識はもちろん、その地域ごとの特性や地形、地質に関する知識が必要です。

気象予報士の年収

気象予報士の年収は、勤務先によって異なります。例えば、民間の気象会社、テレビ局やラジオ局などの放送局、気象庁や自衛隊などの公務員、それぞれの給与体系に準じます。

民間の気象会社の場合は、日本の一般的な中小企業の給与水準と比較しても平均的。国家資格を取得していても実務経験がなければ、スタート時の年収は300万円台が一般的でしょう。気象予報士は24時間体制で気象データの観測を行うため、時間帯によっては手当がつくケースもあります。

放送業界の場合は、契約社員や民間の気象会社からの派遣社員もいます。とはいえ、放送業界の平均年収自体が高めであるため、必然的に気象予報士の給与も高い水準に。

フリーのお天気キャスターとして契約する場合、人気が出て番組のレギュラーになると年収1,000万円以上も可能でしょう。

定期的な番組の改編によって放送時間や内容が変わることもあるため、長期的な契約が困難なケースもあります。そのため、収入・雇用が安定しないという課題もあるのです。

気象庁や自衛隊などの公務員は、公務員の年収に準じるため、全体の気象予報士の平均年収よりも高くなります。

このように気象予報士の年収は、勤務先の企業や雇用形態によって変わると言えるでしょう。

気象予報士に求められるスキル

気象予報士として活躍するためには、どのようなスキルを求められるのでしょうか。以下に詳しく紹介します。

分析力

気象予報士にはデータを分析し、結論を導き出す力が求められます。気象予報は自然を扱う仕事であるため、正解がありません。加えて人々の安全な生活を守るための責任ある仕事です。時に気象予報士によっては異なる予測を示す可能性もあるでしょう。

それでも気象予報士は、気象庁からのデータをさまざまな角度から解析して、天気や気温、湿度、降水確率などを慎重にかつスピーディーに予測しなければならないのです。

そのため気象予報士は、膨大なデータを読み解き分析する能力が求められるでしょう。

伝える力

気象予報士には、分かりやすく人に伝える力が求められます。気象データの分析結果を、専門知識のない人が聞いても分かるように簡潔に説明しなければならないからです。

テレビやラジオで天気予報を伝える気象予報士はもちろんのこと、裏方で原稿を作成している気象予報士にも分かりやすく伝えるスキルが必要。

一般企業や民間の気象会社に勤める場合も同様で、何の知識も持たない人が聞いて分かるような表現で気象予報を伝えなければなりません。気象予報士にとって相手に伝わりやすいように伝える力は必須のスキルと言えるでしょう。

観察力

気象予報士にはするどい観察力が求められます。例えば空をただ見るだけでなく、雲の形や流れ、色はどうなっているか、季節の移り変わり、風の向きやにおいまで、小さな変化も見逃さないよう観察する力が必要。

もちろん気象庁から根拠となるデータは得られますが、自分で読み取ろうと日頃から自然を感じ、変化を観察することで、気象予報士ならではのプラスアルファの情報やコメントを提供できるのです。

気象予報士に役立つ資格・スキル・経験

気象予報士になるために必要な資格、役立つ資格はあるのでしょうか。以下に3つの資格について紹介します。

気象予報士国家試験

気象予報士になるには、気象予報士試験に合格し、気象庁長官に「気象予報士」として登録してもらう必要があります。

気象予報士国家試験は、合格率は5%前後の難関資格。一発合格の難易度はさらに高く、複数回チャレンジする人もいます。試験は学科と実技で構成されており、受験資格はなく、年齢や学歴、国籍は問いません。試験は年に2回実施。

学科試験は以下の内容を問われます。

  • 予報業務に関する一般知識
  • 予報業務に関する専門知識

実技試験の科目は以下です。

  • 気象概況及びその変動の把握
  • 局地的な気象の予報
  • 台風等緊急時における対応

気象予報士の資格は、更新の必要がなく、一度資格を取得したら生涯有効。年齢制限がないため、いつでもいくつになっても挑戦できる資格と言えるでしょう。

天気検定

天気検定とは、天気に関する詳しい知識が得られ、天気を読む力を養い、天気の不思議や奥深さが分かる民間の資格試験です。

気象予報士資格との大きな違いは、天気検定を取得しても天気予報を出すことはできない点です。天気検定は生涯学習の位置付け。あくまで天気の面白さを知ることが目的です。

試験内容は、以下の5つの項目で構成されており、気象学から生活への活用法まで幅広い知識が身につきます。

  • 天気の基本
  • 天気と社会
  • 天気と生活
  • 天気と文化
  • 天気雑学

2級、3級、4級は選択式のマークシート。1級は選択式に加え、記述と論述が加わり難易度が上がります。受験資格はなく、誰でも受験可能です。

防災士資格

防災士資格とは、災害時に自分や家族、地域住民を守るための知識・技術を習得するための資格です。

地震や水害、土砂災害、台風などの自然災害、火災や事故などの人的災害などに対して、自分を守る力、地域・職場で助け合い被害拡大を防ぐ力を身につけ、災害時に個人、企業、地域、防災機関が協力して活動し合う目的。

近年、自然災害が頻発していることから、危機管理や防災への意識が高まり、取得する人が増えています。

資格取得までの流れは以下です。

  • 防災士養成研修講座を受講し、研修履修証明を取得する
  • 日本防災士機構が実施する防災士資格取得試験を受験し、合格する
  • 救急救命講習を受け、修了証を取得する
  • 日本防災士機構への「防災士認証登録申請」を行う
  • 「防災士認証状」「防災士証」が日本防災士機構から交付される

気象予報士の仕事の厳しさ

気象予報士の資格に挑戦したいと考えている人もいるでしょう。では実際に気象予報士として活躍する上で、つらいこと、大変なことはあるのでしょうか。

正解がない

企業予報士の仕事には、答えがなく、何が正解かは実際に起きてからでないと分かりません。気象庁からのデータをもとに独自で分析し天候を予測しますが、それが外れることもあります。

自然は人間の想像を超えた、予測し切れない結果をもたらすこともあるのです。それが自然の魅力でもあるのですが、世間からは「天気予報は当たって当然」と認識されているため、外れると批判されることもあるでしょう。

日常の天気ならまだしも、時に人命に関わる情報や自然災害に関連する情報も含むため、責任が重いのです。そのため気象予報士の仕事は、正解がないからそこの厳しさがあると言えます。

生活が不規則になる

気象予報士は、時に24時間体制で気象の変化を分析する必要があるため、体力的に厳しい仕事でもあります。

気象に大きな変化が起きた時や災害時には、残業が多くなったり、泊まり込みでデータを解析したり、変化を観測し続けることもあるのです。職場によってはシフト制や交代勤務が基本となり、深夜勤務もあります。

そのため、気象予報士の仕事は生活が不規則になることが多く、体力が必要な仕事と言えるでしょう。

就職先が少ない

気象予報士の国家資格は難易度が高いにもかかわらず、勤務先が限られており、求人数が少ないと言われています。実際に資格を取得しても、気象とは関連のない仕事に就いている人も多いのが現状。

国家資格をとったからと言って簡単に一生安泰で働けるわけではないのです。普段目にするテレビのお天気キャスターのような仕事に就ける人はほんの一握り。

そのため気象予報士を目指す際は、資格取得後にどうのようにキャリアを積むか考えておく必要があるでしょう。

気象予報士に向いている人

どのような人が気象予報士の仕事に向いているのでしょうか。以下に解説します。

自然が好き

気象予報士は、第一に自然に強い関心があることが重要でしょう。空の色や雲の形など常に興味を持って観察し、なぜこんな空の色なのか、なぜ雲はこんな形なのか、「知りたい」「調べたい」と思えることが気象予報士の仕事の前提です。

天気や空の様子は全く同じ日は1日たりともありません。その奥深さこそが自然を扱う仕事の醍醐味と言って良いでしょう。自然が好きであることで、気象における新しい知識を学ぶ意欲にもつながるのです。

論理的思考が得意

気象予報士には、論理的思考ができる人が向いていると言えます。気象予報士は、多くのデータをさまざまな角度から分析して、独自の天気予測を導き出します。

「なんとなく」「前はこうだったから」などの曖昧な判断ではなく、論理的思考に基づいて根拠のある予測をしなければなりません。それでないと聞き手を納得させることはできないのです。

そのため気象予報士には、論理的思考が欠かせないスキルと言えるでしょう。

危機管理能力のある人

気象予報士には危機管理能力が高いことが求められます。天気予報とは、人々の生活に直結しており、時には人命に関わることもあります。ただ機械的に情報を分析するだけでは、気象予報士の仕事としては物足りないでしょう。

気象庁からのさまざまなデータを注意深く解析し、それが人々の生活にどんな影響をもたらすか、常に危機感を持って予測することが必要です。場合によっては災害から人々の命を守るために注意喚起したり、避難指示を出さなければなりません。

そのため気象予報士には、危機管理能力のある人が向いていると言えるでしょう。

気象予報士になるには

気象予報士になるためにはどのようなステップを踏めば良いのでしょうか。以下に順を追って説明します。

気象予報士は学歴不問

気象予報士試験に受験資格はないため、必要な学校、学部、学科は特にありません。社会人になってから目指す人も多くいるため、学部や文系・理系関係なく受験可能です。

とはいえ、学校でも気象予報士になるための勉強をしたい人は、気象学、地球惑星物理学科のある大学を選択しても良いでしょう。

なお、気象大学校は気象予報士ではなく、気象庁の職員になるための学校です。気象業務に携わるために必要な専門知識を習得でき、卒業後は気象庁にエスカレーター式に入庁。

一般的な大学とは異なり、入学すると公務員として扱われるため、月額約15万円の給料がもらえます。難易度は高く、少人数しか受け入れないため間口は狭く注意が必要。授業料・入学金・寮費は一切無料です。

気象予報士資格試験に合格する

気象予報士として活躍するためには、気象予報士国家資格が必須です。気象庁で働くには必ずしも資格は必要ありませんが、それ以外で気象予報士の資格を持たない人が気象予報業務を行うことは法律で禁止されています。

試験対策には、気象予報士を目指す人のための予備校や通信講座を利用するのが一般的。気象に関する専門知識が問われる難関試験で、繰り返しチャレンジしてようやく合格する人もいます。

就職活動を有利に進めるために、大学在学中に資格取得を目指す人もいるでしょう。

気象予報士登録

試験合格後は、必要書類を提出し、気象庁に登録すれば、晴れて気象予報士として仕事ができます。

ただし、資格を取得すれば自動的に就職ができるのではなく、自分のキャリアの方向性を考えながら就職活動しなければなりません。気象会社の募集人数は少ない傾向にあるため、どのように資格を生かしたいか、情報を集める必要があるでしょう。

気象予報士のキャリアパス

気象予報士のキャリアパスはどういったものがあるのでしょうか。

まず、民間の気象会社や一般企業に気象予報士として入社した場合、組織の中で昇進して役職を持ったり、メンバーを持って育成したりとキャリアアップするケースが挙げられます。

公務員として気象予報をする業務に携わる場合は、年齢や経験を積むことで年収や地位が上がっていくでしょう。気象庁のような国家公務員や自衛隊の気象予報士も、規定に準じてキャリアアップします。

テレビ局やラジオ局のような放送業界では、お天気キャスターとして独立したり、書籍の出版や講演会を開催するくらい人気が出る気象予報士もいます。

気象予報士の国家資格を取得しても、仕事に活用している人は一部と言われています。難易度の高い資格を苦労して取得したにもかかわらず、それを活かした就職ができない人もいるということ。

そのため気象予報士を目指すのであれば、しっかりと資格取得後の進路を定めておく必要があるでしょう。

人々の生活を支える気象予報士は、普段テレビで目にする気象予報士以外にも、あらゆる企業や団体で活躍しています。

地球温暖化やゲリラ豪雨、台風などの自然災害が頻発し防災意識が高まる昨今では、気象予報士は気象のプロとしての社会的使命感を持って活躍することが期待されています。

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