保育士
公開日
2021.11.07

保育士

保育士とは、保護者に代わって、乳児から小学校就学前の幼児を保育する職業です。

食事や睡眠、排泄といった身の回りのお世話全般をしながら、遊びやコミュニケーションを通して心身の発達を促し、社会性も養います。

勤務先は保育所や託児所、児童養護施設、乳児院といった施設から、自宅を利用した小規模保育やベビーシッターなどさまざま。

昨今では共働きの家庭が多いことから、保育施設や保育士のニーズは高まっており、社会全体から必要とされている職種であると言えます。

評価・満足度

総合評価 3.0
平均年収
363万円
最高年収
700万円
やりがい
3.0
給与・年収
3.0
専門性
3.0
将来性
3.0
休日・待遇
3.0

保育士の主な仕事内容

比較的イメージしやすい保育士の仕事。具体的な仕事内容はどのようなものなのでしょうか?

健康チェック

子どもたちの健康状態をチェックすることは保育士の仕事の中で最も重要な仕事の一つ。

子どもたちと最初に顔を合わせる時、保護者から子どもたちを預かる時に、いつもと違うところはないか、顔色・表情に異変はないか、身なりは清潔か、と心身の健康状態を確認。

少しでも異常を感じた場合は保護者に確認・連絡をしたり、他の保育士と情報共有をしたりと、然るべき対応を行います。

身の回りの世話

子どもたちの身の回りの世話全般は保育士の主な仕事。食事、着替え、手洗い、睡眠、排泄など基本的な生活習慣の補助と指導をします。

子どもたちを預かり、生活全般のサポートをしながら、仕事や療養などの事情によって保育ができない保護者に代わって、生活習慣が身につくよう指導を行うのです。

心身の発育のサポート

保育士は、園庭の遊具で遊んだり、かけっこやボール遊び、お散歩などの活動を通じて子どもたちの丈夫な体作りをサポートします。他にも本の読み聞かせ、工作、ごっこ遊びなど、年齢と発達に合わせた活動を通して、子どもたちの心身の発達を支援。

相手に共感すること、思いやりといった感性や、食器や椅子、はさみやのりなどの道具をうまく使えるよう自立心を育てるのも保育士の役割と言えるでしょう。

また、食事や排泄、運動、お昼寝などを軸にして規則正しい生活リズムを作り、心身の健全な発育を促します。そのため保育計画書を作成したり、その準備全般も保育士の大切な仕事です。

社会性を身につける指導

保育士は、あいさつをはじめとした社会的習慣についても指導します。集団生活を通して、お友達との関り方や順番を守るといった社会生活に必要なルールを身に付けるサポートも保育士の役割です。

保護者とのコミュニケーション

子どもの保護者とのコミュニケーションも保育士の重要な仕事の一つ。保護者に対して、子どもを安心して預けられるよう配慮した言葉がけや、保育中の子どもの様子・その日の活動内容などを伝えます。

また、子育てに関する相談を保護者から受けることも。その際は保育のプロとして適切なアドバイスをすることが必要になるでしょう。

そのほか、保護者に向けた配布物の作成や連絡帳への記入といった事務作業もあります。

イベントや行事の準備・開催

さまざまなイベントや行事の準備をし、開催するのも保育士の仕事。例えば、運動会や遠足、プール、夏祭り、お泊まり会といった、子どもたちが楽しめる、そして成長するためのバラエティに富んだ催し物を園ごとに企画・開催します。

子どもたちの成長過程においてもかけがえのない思い出作りになると同時に、保護者にとっても子どもの成長が見られる貴重な機会となるでしょう。そのため、イベントや行事の準備・開催も保育士にとって重要な仕事なのです。

保育士の年収

「給料が安い」といったイメージが持たれがちな保育士。実際に保育士の年収は、日本の労働者の平均年収と比較すると低いと言えます。その理由として挙げられるのが、保育園や託児所といった保育施設の財源が限られていることです。

保育施設の財源は国や都道府県からの補助金と利用者からの保育料。財源は子どもの人数や特定区分によって決まっており、その中から施設の運営費を除いた金額が保育士の給料に。保育施設の広さや子どもの人数によって配置しなければならない保育士の人数も決まっています。

これらの事情を考えると、保育士一人ひとりの給与を上げるためには、何らかの方法で財源を増やさなければならず、容易ではないのです。

もちろん地域、勤続年数、役職、勤務形態などによっても年収は違います。都道府県によって人口も最低賃金も違うことから、保育士の給与水準も違うのです。経済力のある都心部の方が保育士の給与が高い傾向。勤続年数が長かったり、主任、リーダーといった役職を持っている人はその分手当が上乗せされて給与も高くなるでしょう。

また、公立の施設は保育士も公務員となるため、給与や福利厚生も充実しているといった特徴も。一方、私立の施設は若いうちにキャリアアップのチャンスがあったり自由度が高く、公立とは違ったメリットがあると言えるでしょう。

保育士に求められるスキル

保育士として活躍するためには、どんなスキルが求められるのでしょうか?以下に詳しく解説します。

保育に関する基礎知識

保育士は、第一に以下のような保育に関する基礎知識が必要です。

  • 月齢・年齢に合わせた身体や言語の発達について
  • 離乳食・アレルギーといった栄養に関する知識
  • 発達に合わせた排泄のサポート
  • 発達段階の幼児特有の心理や行動について

保育士が保育に関する基礎知識を十分に持っていることで、子どもたちの成長を助けるのはもちろん、保護者も安心して任せられるでしょう。

観察力・危機管理能力

保育士は子どもの様子を常に観察し、小さな変化も見過ごさずに気づく力が必要です。子どもは自分の体調の変化を言葉にできないことが多いもの。楽しそうな子、元気な子もいれば、浮かない表情をしている子、調子の悪い子もいるかもしれません。

保育士は異変を感じたら保護者や子ども自身に確認、状況を把握し、他の保育士と連携をとるなど適切な対応をとる必要があります。

保育士は子どもだけでなく、保護者の表情や態度に変化がないかを観察する必要も。利用者が家庭に問題を抱えていないか、保護者や子どもを通して確認することで、子育てを社会全体で支援するための役割も担っています。

タフさ・健康管理能力

保育士は自分の健康管理を徹底する必要があります。保育を必要とする子どもたちがいるため、簡単に休むわけにはいきません。

たくさんの子どもたちを抱っこしたり、子どもたちと一緒になって走ったり遊んだりお世話をしたりと動き回るため、体力勝負な面も。保育士は体調を崩さないように規則正しい生活を送り、基礎体力を維持することが必要なのです。

また、子どもたちはなかなか思い通りに動いてくれない、言うことを聞いてくれない、といった大変さもあるでしょう。そのため、保育士は精神的にもタフさも求められます。

コミュニケーション能力

保育士は、常日頃から子どもとコミュニケーションを取ることが大切です。たくさんの子どもと日々コミュニケーションを取り、何を求めているのか、どう感じているのかを理解する必要があります。

そうすることで子どもの心に安心感が生まれ、ささいなことでも保育士に話をしてくれるような信頼関係ができるでしょう。問題を未然に防ぐことにもつながります。

保育士同士のコミュニケーションも欠かせません。子どもの様子について情報共有をしたり、問題を解決するために連携することも。

コミュニケーションは保護者との信頼関係を築く上でも必要です。子どもの様子について伝えたり、育児のアドバイスや相談に乗ったりすることもあるでしょう。

1日の出来事や子どもとの会話、できるようになったこと、課題点など、日々の会話の積み重ねにより保育士と保護者との信頼関係ができます。円滑なコミュニケーションにより問題を早期に発見し、子どもの健やかな成長を保護者とともに助けるのです。

保育士に役立つ資格・スキル・経験

保育士になるために必要な資格はあるのでしょうか?以下に解説しましょう。

保育士資格

保育士として働くためには、国家資格である保育士資格が必要です。保育士資格は、厚生労働省に指定された保育士養成のための大学・短大・専門学校を卒業すれば、試験なしで取得できます。

保育について幅広く学びたい人や他の資格も取得したい人は4年制の大学を選択すると良いでしょう。集中して学び、最短で現場に出たい人は短大や専門学校を選択できます。

保育士養成施設を卒業していない場合は、毎年2回実施する保育士の国家試験に合格する必要があります。通信講座や独学で学び受験する人も。

筆記試験8科目すべてに合格すると実技試験に進めます。一度合格した科目は3年間有効なため、数年かけて全科目合格して資格取得する人もいるでしょう。

幼稚園教諭免許

幼稚園の先生として働くために必要な幼稚園教諭免許。近年人気のある認定こども園では、保育士資格と幼稚園教諭免許の両方を持っていることが条件に。幼稚園教諭免許を持っていることで活躍の場は広がるでしょう。

幼稚園教諭の免許は大学、短大、専門学校などで教育課程を履修することで卒業と同時に取得できます。保育士資格と同時に取得できる学校も増えているため、学校を選ぶ際にどういった資格がとれるのか確認することが必要です。

認定病児保育スペシャリスト

認定病児保育スペシャリストとは、日本病児保育協会が認定する、病気の子どもに対する保育の知識・スキルを持つ人材を指します。保育士の資格を持っていなくても、Web講座を受講し、認定試験、実習を経て取得可能です。

共働きの家庭が増え、病児保育施設のニーズは高まっています。特に小さな子どもは体調を崩しやすく、仕事が休みづらい保護者にとって病児保育施設は必要なもの。

体調不良の子どもに対して適切な関わり方や看病ができるため、病児保育の資格を持っている保育士がいると保護者も安心して任せられます。

保育士の仕事の厳しさ

保育士は人気のある職種ですが、その仕事には厳しい面も。具体的にどんな厳しさがあるか紹介します。

保護者とのやりとり

保育士の仕事において、保護者とのやりとりはとても重要。しかも毎日必ず発生します。

保育士の対応や他の子どもとのもめごと、ケガについてなど、文句を言う保護者や無理な要望を言う保護者もいるでしょう。保育士にとって話しづらい保護者だったり、苦手なタイプであることも。

保育士は施設の方針を正しく理解し、保育の意図を保護者に説明することが求められます。日頃から十分なコミュニケーションを取ることで、保護者との信頼関係が生まれ、「子どもを安心して任せられる」と保護者は思うでしょう。

長時間労働

保育士の仕事は長時間労働になることもしばしば。朝早くから子どもを受け入れたり、運動会やお遊戯会といったイベントの準備で残業もあるでしょう。施設によっては人手が足りず、休みが取りづらいといった現状も。

日々の仕事も重労働でタフさ求められる上、長時間労働になることも多く、体力的に大変だと感じる保育士も少なくありません。

特に結婚や出産、子育てとの両立が必要な時期には、保育士としてフルタイムで働くことが難しく感じられるでしょう。

給料が低い

保育士の仕事は業務内容も多岐に渡り、責任のある仕事にも関わらず、給料が上がりにくい、年収が低いといった厳しさがあります。

子どもが好き、やりがいがある、といった理由で保育士を目指す人も多いですが、保育士の年収は日本の労働者の平均年収と比較しても低いのが実情です。勤務年数に応じた昇給額が少ないケースも。

保育士が勤務する施設では、国や都道府県からの補助金と利用者からの保育料が財源となっているため、年収を上げるのは容易ではありません。

保育士の仕事内容はやりがいがある、社会的にも意義を感じるといった声がある一方で、労働量に見合った給料ではない、といった声もあるのです。

保育士に向いている人

保育士は憧れの仕事であるのと同時に、きつい・大変といったイメージも。どのような人が保育士に向いていると言えるでしょうか。以下に詳しく解説します。

子どもが好きな人

「子どもが好き」というのは、大前提として保育士に必要な資質です。

しかし、ただ子どもが好きなだけではプロの保育士としては務まりません。子どもは、大切な成長の時期に保護者より保育士と長い時間過ごします。保育士は子どもが好きで、子どもの将来を考えて成長に寄り添えることが重要なのです。

保育のプロとして、子どもの成長や発達に合わせた遊びや関わりをすることが求められます。優しくする、楽しく遊ぶだけではなく、必要な指導をしたり、時には叱ったり注意することで、子どもの成長をサポート。

大半の勤務時間を子どもたちとともに過ごすため、子どもが好きで子どもとともに楽しめる人が保育士に向いていると言えるでしょう。

責任感のある人

子どもの命、健康を保護者に代わって預かる保育士は、責任感が求められます。子どもの安全を守り、事故がないよう責任を持って子どもたちを観察している必要があるのです。心の状態は健全か、体調に異変はないか、常に気を配ることも必要。

保育士は、プロとして子どもとその家族に関わっているという自覚を持ち、仕事にも子どもにも責任を持って真摯に向き合える人が向いていると言えるでしょう。

忍耐力のある人

保育士の仕事には忍耐力が必要です。保育原理に基づく指標を知識として持ちながらも、焦らずに見守り、子どもたち一人ひとりに合った成長や発達のタイミングを忍耐強く待てる人が保育士に向いていると言えます。

子どもたちは、何でも教えればすぐにできるようになるわけではありません。習得が早い子もいれば、時間のかかる子もいます。何度指導しても友達と仲良くできない子、問題を起こす子もいるでしょう。

何でもやってあげることが良い保育士なのではなく、子どもたちが自立できるようなサポートが求められるのです。

保育士になるには

保育士は未来を創る子どもたちを育てる意義ある職業です。では、どのようにすれば保育士になれるのでしょうか?そのルートを詳しく紹介します。

保育士養成学校で資格を取得

保育士になるためには、厚生労働大臣が指定する養成学校(専門学校、短大・4年制大学)に進学するのが一番の近道と言えるでしょう。保育士養成学校では、必要な科目・課程を履修することで卒業と同時に保育士資格が取得可能です。

「保育士資格」と「幼稚園教諭免許」をダブルで取得できる学校も。学校に通いながら、保育の本質や目的、心理学、指導方法、栄養学など、保育士にとって必要なことを学びます。

保育実習を通して実技の経験ができるのもメリットの一つ。所定の科目・課程を履修すれば保育士資格が取得でき、保育士として勤務できるようになります。

保育士試験で資格を取得

保育士養成学校に入学しなくても、保育士試験に合格すれば、保育士資格が取得できます。保育士試験をサポートするスクールに通ったり、通信講座を受講する人も多いでしょう。

社会人になってから保育士を目指す人は、夜間のスクールに通うことも。保育士試験は、筆記試験と実技試験の両方に合格する必要があり、年に2回実施。

ただし最終学歴が高校卒業、中学卒業の場合は、児童福祉施設で実務経験を積んでから保育士試験に臨む必要があります。年齢制限はないため、やる気さえあればいつからでも保育士を目指せるでしょう。

保育士のキャリアパス

保育士のキャリアパスは、大きく分けて2つのルートがあります。

一つ目のルートは、勤務先の保育施設でキャリアアップすること。保育施設は、一般企業と比べると役職、ポジションが少ないため、キャリアアップしづらいといった現状も。

その現状を踏まえて、2017年には「キャリアアップ研修制度」を厚生労働省が導入。新しい役職を設置、それに準じた手当も支給されることになりました。

  • 専門分野別研修
  • マネジメント研修
  • 保育実践研修

新たに導入されたこれら3つの研修を修了するとリーダー、副主任、主任、園長の役職に就けるようになります。役職に応じて手当の支給も。

勤務先にポジションが空いていない場合は、転職するのも一つの選択。キャリアアップ研修制度の修了証は無制限で全国共通なので、転職にも活かせるでしょう。

二つ目のルートとして、プラスアルファの資格を取得することで、活躍の場を広げるといったキャリアパスも。

例えば、心の問題を解決する「臨床心理士」、少人数で質の高い保育を実践する「チャイルドマインダー」、虐待の防止や対策などを専門とする「児童福祉士」などが挙げられます。いずれも保育施設以外の場所でも資格を活かして働けるのと同時に、保育現場でキャリアアップするためにも役立つ資格でしょう。

他にも、役職に就くことを望まずに、子どもたちと多く関われるクラス担任でいたい、保育現場が好き、家庭と両立しながら働きたい、と考える保育士もいるでしょう。

以上のように保育士のキャリアパスにはさまざまな選択肢があります。

保育士は心がけ次第で生涯続けられる仕事。どういった保育を目指したいか、自分の実現したい保育について方向性を明確にしておくと良いでしょう。

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