ストレス社会を生き抜くコツ!ストレスコーピングとは?種類・実践方法・注意点をわかりやすく解説

ストレスコーピングは「ストレスの対処法」のこと。一時的にストレス解消するだけでなく、ストレスに対処し、上手に付き合っていく方法です。

 

「言葉は聞いたことあるけどよくわからない」
「お金がかかるの?」
「興味あるけど、何から始めればいいんだろう」

そう悩む人に向けて相談員としての職務経験がありメンタルケアの知識もある筆者がストレスコーピングについて分かりやすく解説します。

 

ストレスコーピングを味方につけてストレスとうまく付き合っていきましょう。

目次

ストレスコーピングとは

 

ストレスコーピングとは「ストレスに適切に対処すること」。アメリカの心理学者リチャード・S・ラザルス博士が提唱した心理学用語で、手軽にできるストレス対策として注目されているのです。

 

ストレスを感じたときにコーピングすることで気持ちは楽になっていきます。例えば「叱られた後、深呼吸をする」「週末キャンプに出かける」などストレスに対処しようとする行動すべてがコーピングなのです。

 

コーピングは種類も効果も人それぞれ。同じコーピングでも効果が日によって違うこともあるでしょう。

 

できるだけ多くのコーピングを身につけておくと、さまざまなストレス反応に対応できます。

 

また「このストレス反応にはこのコーピングが有効」と分かってくれば、大きなストレスに発展する前に対処することができるメリットもあるのです。

 

既に自分なりのストレス解消法を持っている人でも、さらにその数を増やし「ストレスコーピング」として戦略的に行うことでより大きな効果が期待できます。

ストレスコーピングの種類

 

ストレスコーピングは「何に焦点を当てるか」で2種類に分けられ、「どのように対処するか」でも2種類に分けられます。ストレスコーピングの種類について解説します。

問題焦点型と情動焦点型

「ストレスの何に焦点を当ててコーピングするか」を判断基準にすると、「問題焦点型」と「情動焦点型」に分けられます。

 

問題焦点型(Problem-Focused Coping)

 

・タスク管理を徹底して1日の仕事量を減らす
・異動、転職する

問題焦点型とは、このような自分がストレスを感じる原因(ストレッサー)そのものに焦点を当てて対処しようとするコーピングです。原因を直接対処するので解決が早いというメリットがあります。

 

ストレッサーを自分で解決できなくても、周囲の人に相談したり協力してもらうことでコーピングできることもあるでしょう。

 

一方、問題焦点型はストレッサーが分かっていても対処できない、あるいは対処法は分かるけれどもそれ自体がストレスになるという可能性もあります。

 

例えば上司のパワハラがストレッサーの場合、上司に進言することも異動願を出すことも難しいかもしれません。相談したことで周囲の人間関係もストレスを悪化させる可能性もあります。

 

このように問題焦点型コーピングの実践が難しいケースも少なくありません。

 

情動焦点型(Emotion-Focused Coping)

 

・パワハラの上司は自分が嫌いではなく育ててくれようとしている
・話が通じないのは相手の理解不足ではなく伝え方が悪かった

 

情動焦点型とはこのようにストレッサーに対する自分の認知に焦点を当てて対処しようとするコーピングです。特にストレッサーに直接対処できない場合に有効になります。

 

ストレッサーに対してネガティブに認知していることを理解し、ポジティブな考えに変えることでストレスを軽減していく方法です。

 

この方法ではありのままの自分の感情を認めたうえで、別の視点からポジティブに捉えられないかと考えます。自分の認知に対する対処なのでストレッサーや人間関係に変化がなくても対処できるメリットがあります。

 

またストレッサーに向き合い過ぎて心が大きなダメージを負わないように、気をそらすコーピングも情動焦点型に含まれます。

 

・好きな音楽を聴く
・お風呂で大声で歌う

このように自分の気持ちをストレッサーからそらすことで心の不安が減少します。ストレッサーに直面している状態は心はネガティブ思考になっていて、対処する気も起きませんね。

 

気をそらすコーピングでネガティブな考えが減るとポジティブに考えやすくなるので、ストレスに対処できるのです。

行動的コーピングと認知的コーピング

「どのように対処するか」を判断基準にすると「行動的コーピング」と「認知的コーピング」に分けられます。

 

行動的コーピング

 

行動的コーピングは実際に行動を起こすコーピング

 

・深呼吸する
・飴をなめる
・カラオケに行く

どんな行動でもストレスに対処しようとする行動であればコーピング。例えば疲れた時に思わず出てしまうため息。疲れを解消しようとして意識的につくため息ならコーピングと言えます。

 

認知的コーピング

 

認知的コーピングは頭の中でおこなうコーピング

 

・楽しかったキャンプの記憶を思い出す
・ハワイでの生活を想像する
・好きな漫画のキャラだったらどうするか想像する

過去の成功体験を思い出したり、相手の立場で考えてみたりする他に、自由に妄想できる認知的コーピング。気持ちが楽になることを自分で考えるコーピングです。

ストレスコーピングの実践方法

 

ストレスコーピングをするにはまず「コーピングリストの作成」が必要です。リストが準備できたらあとは3ステップで実施していきましょう。

準備:コーピングリスト作成

まず、コーピングリストを作りましょう。コーピングリストとは、自分のストレスに対処する方法をリストアップしたもの。

 

・気持ちが落ち着くこと
・好きな食べもの
・好きなこと
・憧れの人
・行きたい場所

自分の気持ちが上がることであれば何でもよいので、100個を目指して紙に書き出していきます。行動的コーピング、認知的コーピングどちらでも構いません。その2つのバランスも気にせず、思いつくまま書いていきましょう

 

・イライラした時に落ち着く方法は?
・ショックを受けた時気分を上げるものは?

このように過去のストレスを感じた場面を思い出し、自分が何をしたか考えるとコーピングが思いつきやすいかもしれません。行動的コーピングは細かい動作にするのがおすすめ。

 

「ラーメンを食べる」より「〇〇亭の味噌ラーメン、にんにく多めを食べる」と書くと、実施しやすくなります。

 

またコーピングリストはいつでも見れるようにしておきましょう。スマホのメモアプリも便利です。

 

リストはいつでも追加編集可能。リスト作成・編集がすでにコーピングになるので、すきま時間に見直す習慣をつけるとよいでしょう。

 

【厳選100個】コーピングリストの超具体例・8個の効果UPに欠かせないコツ【アプリ活用】

Step1:モニタリング

「モニタリング」とは自分のストレスを理解すること。病気の時、医師が診察し原因がわからないと投薬できないのと同じように、自分のストレスについて理解しなければコーピングはできません。

 

ストレッサー:何が自分にストレスを与えているのか

 

ストレス反応:自分にどのような反応が起きているのか

「ここ数日ストレスが溜まっていて辛いな」と感じるときは、自分と向き合い、この2つについて考えてみましょう。

 

モニタリングはノートに書き出すのがおすすめ。可視化することでさらに客観的にストレスを理解しやすくなります。

 

ノートに書くメリットは後から過去のストレスを見返せること。思い出すのが辛くストレスを感じてしまうこともありますが、過去のストレスから学ぶことは多いのです。

 

ストレッサーとは、以下のような自分にストレスを与えているもののこと。

 

・上司や同僚といった人間関係
・歩くと痛む膝
・終わりの見えない仕事

ストレス反応とは自分の身に起きた心や体の変化のこと。

 

体に起こる反応は分かりやすいですが、心の反応も見落とさないよう意識しましょう。ストレッサーに対して自分はどう考えたのか、感情はどうだったか自分の思考と心を冷静に観察することが必要です。

 

・ショック
・歩くと痛い
・食欲がない

どんなストレッサーに対してどんな反応をするのか、分析すると自分のストレス傾向がよくわかってきます。

 

モニタリングの最中に注意することは「こんな事を考える自分は嫌だ」と自己否定しないこと。モニタリングはありのままの自分の姿を受け止める作業です。

Step2:ストレスコーピングの実施

モニタリングが終わり自分が何に対してストレスを抱えているのかがわかったら、コーピングリストからまず1つ選んでやってみましょう。今、自分が抱えているストレスに対して効果があると思われるコーピング試してみます。

 

例えば「深呼吸する」「階段を上り下りする」などは仕事の合間にさりげなくできるでしょう。週末にならないとできないコーピングもあるかもしれません。いくつか同時にやってみるのもOKです。

Step3:評価

コーピングによってストレスに変化があったかどうか、評価しましょう。10点満点で効き目を点数化するのも分かりやすいですね。

 

効果が感じられなくてもリストから削除する必要はありません。コーピングはストレスや自分の心境によって効果が変わるので、別のストレスに有効になるかもしれないのです。

 

ストレッサーやストレス反応に適したコーピングを知ることで、「こういう時はこのコーピング」と法則が見えてきます。ストレスを感じても「どのコーピングで対処しようか」と楽しみになるかも知れません。

ストレスコーピングの注意点

 

ストレスに対処するはずのコーピングで新たなストレスを発生させては本末転倒。コーピングを行う際には次の3つに注意しましょう。

自己否定しない

認知的コーピングではポジティブ思考に切り替えるコーピングがありますが、無理は禁物です。

 

「お腹が痛いのは心が弱いだけだと思う」「小さな悩みは気にしない」など自分のストレス反応を軽視すると気づかないうちに、それが大きなストレスとなり心身の健康に支障をきたすかもしれません。

 

大切なのはありのままを知ること。「お腹が痛い」「小さな悩みを抱えている」自分を認めることでコーピングが有効になり、ストレスが軽減されます。

お金をかけない

コーピングとして「買い物をする」を考える人もいるでしょう。好きなものを買ってその時は気分がスッキリするかもしれませんが、お金を使い過ぎることが新たなストレスに転じる可能性もあります。

 

できるだけお金をかけないコーピングがおすすめです。

人を巻き込まない

「人に話を聞いてもらう」ことは有効なコーピングですが注意も必要です。相談することで問題に巻き込んで人間関係がぎくしゃくしてしまう恐れもあります。

 

人を頼ることと人を巻き込むことの線引きは難しいところですが、日頃のコミュニケーションから相談相手になってもらえる人かどうかは判断しましょう。

 

まずは1人でできるコーピングを試し、上手くいかないようだったら最終手段として人に頼るのがおすすめです。

時間をかけない

時間がかかるコーピングもNG。気軽にできず、長続きしないからです。

 

例えば「好きな漫画を全巻読破」というコーピングでは休日1日では終わらない可能性もあり、その間できなかった事が新たなストレスになってしまうかもしれません。

 

コーピングは手短にできるものの方が取り組みやすいのです。

まとめ

 

人生にストレスはつきもの。大きなストレスに化けないよう、上手に付き合えばストレスは敵ではありません

 

ストレスコーピングは心が大きなダメージを受けないためのおまじない。根本的な解決にはならないかもしれませんが、自分に合ったコーピングを持っていることで前向きに日々を過ごせるようになります。

 

たくさん準備してさまざまなストレスと上手く付き合っていきましょう。

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