20代の副業実施率20.2%|同世代は何を選んでいるか

20代男性の副業実施率が20.2%になったことと、スキル販売型と時間で稼ぐ型の2つの選択肢を示すタイトル画像

ひとつだけ、他のどの数字より大きく動いたものがあります。

20代男性の副業実施率が、20.2%になりました。前回調査から+11.4pt。正社員全体が11.0%(+4.0pt)なので、同世代だけが全体の倍近い水準で、しかも倍以上の速さで増えています。

つまり20代の職場では、5人に1人が副業をしている計算です。「周りはやっていない」という感覚は、すでに古くなっている可能性があります。

この記事では、その20代が何を選んでいるのかを、実際の選択肢の性質から整理します。数字の紹介で終わらせません。

夜の自室でノートパソコンに向かい副業を検討している20代の会社員
20代の副業は、収入補填だけが目的ではなくなっています。

この記事で分かること

  • 20代の副業実施率がどれだけ特異な伸び方をしているか
  • 同時に動いている企業側の変化
  • 20代が副業をする理由の内訳
  • 「自分を売る型」と「時間で稼ぐ型」の分かれ道
  • 入口になるサービス8つの性格の違い

数字の異常さを確認する

正社員全体の副業実施率11.0%に対し男性20代は20.2%と約2倍であることを示す棒グラフ
出典:パーソル総合研究所「第四回 副業の実態・意識に関する定量調査」
区分 実施率 前回(2023年)比
正社員全体 11.0% +4.0pt
男性20代 20.2% +11.4pt

出典:パーソル総合研究所「第四回 副業の実態・意識に関する定量調査」(2025年10月28日発表/調査期間2025年8月1日〜7日/企業n=1,500、個人n=62,320/2026年7月30日確認)

+11.4ptという伸びをどう読むか。全体の伸び(+4.0pt)の約2.9倍です。同じ2年間で、20代男性だけが別の速度で動きました。

企業の側も同時に動いている

これは働き手だけの現象ではありません。同じ調査で企業側の数字も出ています。

企業の指標 数値 前回比
副業容認率 64.3% +3.4pt
副業受入率(他社の副業人材を受け入れる) 29.1% +4.7pt
サポート実施率 36.3% +9.0pt

最後の行に注目してください。サポート実施率が+9.0ptです。容認(+3.4pt)より、支援(+9.0pt)のほうが速く伸びています。

意味はこうです。企業のスタンスが「黙認」から「支援」に移りつつある。20代が動きやすくなった背景の一部は、ここにあります。

なぜ20代なのか|理由の内訳

同じ調査で、副業をする理由が出ています(複数回答)。

理由 割合
副収入(趣味資金) 62.6%
生活費不足 51.6%
将来収入への不安 51.6%

1位が「趣味資金」である点が重要です。生活費不足(51.6%)より上に来ています。

ここから読めることがあります。「困っているから副業する」だけではない。好きなものに使う金額を、本業の給与とは別に確保しようとする動きが最も大きいということです。

そしてもう1つ、20代に固有の数字があります。

指標 全体 20代
副業経験者の転職率 6.7% 13.6%

20代は、副業先へ転職する割合が全体の約2倍です。副業が「収入の足し」で終わらず、キャリアの入口になっているケースが同世代では倍の頻度で起きています。

20代の選択肢は2つの型に分かれる

最初は伸びにくく後から大きく伸びる自分を売る型と、はじめから一定の収入になる時間で稼ぐ型の比較図
収入の立ち上がり方が違います。どちらが正解ということはありません。

ここから実務です。20代が選べる副業は、性質で2つに分かれます。どちらを選ぶかで、3年後に残るものが変わります。

比較 A. 自分を売る型 B. 時間で稼ぐ型
スキル販売、ライブ配信、相談・レッスン スポットワーク、配達、データ入力
最初の1か月 ほぼゼロ円 働いた分だけ入る
単価の伸び 実績で上がる ほぼ固定
やめたときに残るもの 実績・評価・つながり 残らない
転職への接続 つながりやすい つながりにくい
収入の安定 不安定 安定
必要な時間の形 まとまった時間 1日単位でよい

20代の13.6%が副業先に転職しているという数字は、Aを選んだ人の中で起きていると考えるのが自然です。時間で稼ぐ型からは、その接続が生まれにくい構造です。

ただしBを否定しません

誤解のないように書きます。Bには「確実に入る」という決定的な利点があります。今月の趣味資金が足りないなら、Bのほうが目的に合っています。

現実的な組み方はこうです。

  1. まずBで1〜2か月やって、副業という行為に慣れる(続けられるかを確認する)
  2. 並行してAを1つ立ち上げる(最初はゼロ円である前提で)
  3. Aから収入が出たらBを減らす

いきなりAだけで始めると、「1か月やって0円だった」でやめることになります。Bで実感を作りながらAを育てるほうが続きます。

「自分を売る型」の中身を分ける

自分を売る型がスキル販売系(デザイン・文章・相談)とライブ配信系(会話・作業配信)に分かれる図
同じ「自分を売る」でも、売り方は2系統に分かれます。

Aをさらに分けます。20代が実際に選んでいる形は、大きく2系統です。

系統 売っているもの 向いている人 立ち上がり
スキル販売系 できること(デザイン、文章、相談、作業) 本業や趣味で手を動かしてきた人 実績が数件つくまでが山
ライブ配信系 時間と場(会話・作業・演奏など) 話す・見せることに抵抗がない人 視聴者がつくまでが山

共通しているのは「最初の山を越えるまで収入がほぼゼロ」という点です。ここで判断を誤らないために、期間を先に決めてください。

「3か月は収入ゼロでも続ける」と決めてから始める。これだけで、途中でやめる確率が大きく下がります。

スキル販売系|売れるものは「自分が地味だと思っていること」

最も多い誤解がこれです。特別な才能を売る場所ではありません。実際に依頼が多いのは、次のような地味な作業です。

  • 資料の見た目を整える(Excel・PowerPointの整形)
  • 文章を読みやすく直す
  • 音声を文字にする
  • 画像の切り抜き・サイズ調整
  • SNS投稿の文案を作る
  • 調べものをまとめる
  • 自分が普段使っているツールの使い方を教える

最後の項目が20代の強みです。年上の世代が苦手なツールを、自分は当たり前に使えているという状況が実際に存在します。「できて当然」と思っていることに値段がつきます。

ライブ配信系|顔を出さない選択がある

配信は「顔を出して話す」以外の形が増えています。イラストを動かす形式なら、身元を出さずに配信できます。会社員が副業として行う場合、この選択は現実的です。

収益の仕組みはギフト → ポイント換算 → 換金の3段階で、換算率はサービスごとに異なります。時給の計算ができない性質なので、金額の目標は立てにくい領域です。

入口になるサービス8選

スキル販売系4つ、ライブ配信系4つを並べます。同じ系統でも客層と手数料が違うので、1つに絞らず2つ試すのが実務的です。

サービス 系統 性格 公式サイト
ココナラ スキル販売 自分で商品を作って並べる。単価を自分で決める 公式サイト
クラウドワークス スキル販売 募集に応募する。案件数が多く実績を作りやすい 公式サイト
タイムチケット スキル販売 時間単位で売る。相談・レッスン向き 公式サイト
BIGO LIVE ライブ配信 海外を含む広い地域で展開 公式サイト
ふわっち ライブ配信 雑談中心の配信が多いとされる 公式サイト
IRIAM ライブ配信 イラストを動かす形式。顔を出さない 公式サイト
Live812 ライブ配信 配信アプリの選択肢を広げる 公式サイト
トークライバー ライブ配信 会話中心のサービス 公式サイト

1. ココナラ|「商品」を並べる場所

応募型ではなく出品型です。自分でサービスを作って値段をつけ、買われるのを待ちます。最初は売れませんが、1件売れて評価がつくと動き始めるのがこの型の特徴です。

登録料はかかりません。手数料は成約時に差し引かれる形です。

2. クラウドワークス|実績をゼロから作るなら

こちらは応募型です。募集されている案件に自分から応募します。出品型より最初の1件が取りやすいのが利点です。

単価は低めから始まりますが、目的を「実績を作ること」に置くなら合理的な選択です。ココナラと併用して、応募型で実績を作り、出品型で単価を上げるという使い方ができます。

3. タイムチケット|「教える」を時間単位で売る

成果物ではなく時間そのものを売る形です。相談、レッスン、話を聞く、といった内容が中心になります。

前述の「年上の世代が苦手なツールを教える」という強みが、最も直接的に活きるのはこの型です。成果物を作る必要がないため、立ち上げが速いという利点もあります。

4. BIGO LIVE|配信の入口

日本国内の運営はBoonline Service Japan株式会社(東京都新宿区)です。換算率と換金条件は登録前に規約で確認してください。視聴者が支払った金額がそのまま収入になるわけではありません。

5. ふわっち|雑談で成立させる

企画を作り込むより話し続けられるかどうかが効く型です。準備の負担が小さい一方、無言の時間に耐える必要があります。

6. IRIAM|顔を出さずに配信する

イラストを動かす形式です。会社員が副業として配信する場合、身元が特定されるリスクを下げられます。ただしイラストの用意が必要になるため、条件を確認してください。

7. Live812|選択肢を広げる

配信はアプリによって視聴者層が違います。1つで結果が出なかったからといって「配信が向いていない」とは限りません。別のアプリで動くことがあります。

8. トークライバー|会話を中心にする

見せるより話すことに比重がある形です。前述のとおり、準備の負担が小さい形式のほうが本業と両立しやすくなります。

手数料、換算率、登録条件、年齢制限は変更される場合があります。申し込み前に必ず各公式サイトと利用規約で確認してください。

最初の1件を取るための具体策

応募型で実績を作る段階が最初の山です。ここは技術より応募の作り方で差がつきます。やることは決まっています。

やること 理由
募集文を最後まで読む 指定の書式や記載事項を守っていない応募は、内容を見られずに落ちます
できることだけ書く 盛ると受注後に破綻します。範囲を明示するほうが選ばれます
納期を先に示す 「いつ出せるか」が発注側の最大の関心です
単価の低い案件から入る 目的は金額ではなく評価を1件つけること
件数を絞って丁寧に出す 同じ文面の大量応募は通りません
類似の経験を書く 本業でも学校でも構いません。「同種の作業をしたことがある」で十分

4番目に抵抗がある人が多いのですが、評価ゼロの状態が最大の障壁です。1件でも評価がつくと、同じ内容でも通る確率が変わります。最初の1〜3件は「値段を捨てて評価を買う」と考えてください。

納品でつまずかないために

受注できた後の話です。20代に多い失敗は技術不足ではなく確認不足です。

  • 着手前に完成物のイメージを確認する — 「こういう形で出します」と1行送るだけで手戻りが消えます
  • 途中で1回報告する — 方向がずれていた場合、早く分かれば直せます
  • 納期の前日に出す — 当日ギリギリだと修正の余地がありません
  • ファイル名と形式を指定通りにする — 地味ですが評価に影響します
  • できなかった部分は隠さず書く — 隠すほうが信用を失います

1番目が最も効きます。着手前の1行の確認が、数時間の作り直しを防ぎます。

20代が最初に確認すること

確認項目 内容
就業規則 企業の容認率は64.3%。自社が該当するかは規定を見るしかない
サポート制度 サポート実施率が36.3%(+9.0pt)。申請すれば支援がある会社が増えている
契約形態 業務委託なら労働時間は通算されない。雇用契約なら通算される
確定申告 所得が年20万円超で必要。20万円以下でも住民税の申告は必要
秘密保持 本業の情報を成果物に使わない
競業避止 本業の競合の仕事を受けていないか

2行目を見落としないでください。サポート実施率が9.0pt伸びているということは、隠して始めるより申請したほうが有利な会社が増えている可能性があるということです。就業規則を読んで、届出制なら出してしまうほうが動きやすくなります。

本業を軸に選ぶという考え方

20代には特有の悩みがあります。本業の経験が浅いので、売れるスキルがないと感じる。これに対する現実的な答えを書きます。

売るものは「本業のスキル」でなくてよいのです。本業との距離で3通りに分けて考えてください。

距離 売るもの 利点 注意点
本業と同じ領域 本業で使っているスキルをそのまま 単価が最も高くなる。転職にも直結する 競業避止と秘密保持に触れやすい
本業の周辺 本業で身についた汎用スキル(資料作成、進行管理、調整) 単価と安全性のバランスが良い 実績の説明を工夫する必要がある
本業と無関係 趣味・生活の中で身についたこと 本業との利益相反がない 単価は上がりにくい

会社員が最も選びやすいのは2番目(本業の周辺)です。同じ領域は単価が高い一方、競業避止の問題が生じやすくなります。

具体的には、こういう置き換えです。

  • 営業職 → 提案資料の作成、テレアポの台本づくり(顧客リストは絶対に使わない)
  • 事務職 → Excelの整形、データ入力、経費精算の代行
  • 接客職 → 接客マニュアルの作成、応対のロールプレイ相談
  • 技術職 → 初学者向けの学習サポート、環境構築の相談

いずれも本業の具体的な情報を持ち出さずに、身についた型だけを売る形になっています。この線を守れば、本業と衝突しません。

3か月のロードマップ

0週目の規則確認から1か月目の実績1〜3件、2か月目の見直し、3か月目に1つに決めるまでの流れ
最初の3か月でやることを、時期ごとに区切っています。
時期 やること 判断すること
0週目 就業規則を確認する。届出制なら申請する やってよいかを確定させる
1か月目 応募型で実績を1〜3件作る。並行して出品型に商品を1つ並べる 金額ではなく「納品できるか」
2か月目 売れた/売れない理由を見て、商品説明と価格を直す どの型が自分に合うか
3か月目 実績を材料に単価を上げる。合わない型は切る 続ける型を1つに決める

1か月目の目標を金額ではなく「納品できるか」に置いてください。ここでつまずく人が最も多く、そして最も乗り越えやすいポイントです。

チェックリスト

  • 就業規則を確認した(届出制なら申請した)
  • 会社に副業のサポート制度があるか確認した
  • Aの型(自分を売る)とBの型(時間で稼ぐ)の違いを理解した
  • Aを選ぶなら「3か月は収入ゼロでも続ける」と決めた
  • 売るものを「自分が地味だと思っていること」から探した
  • 応募型と出品型を2つ試す方針にした
  • 配信を選ぶなら換算率と換金条件を規約で確認した
  • 顔を出すかどうかを決めた
  • 確定申告と住民税申告の基準を確認した
  • 本業の秘密保持・競業避止を確認した

やめておいたほうがいい進め方

  • 「周りはやっていない」と思って動かない — 20代男性は5人に1人が実施しています
  • Aだけで始めて1か月で判断する — 収入がゼロなのは構造上そうなります
  • 特別な才能を売ろうとする — 実際に依頼が多いのは地味な作業です
  • 就業規則を確認せずに始める — 容認率64.3%は「自社が該当する」証明ではありません
  • 配信の換算率を確認しない — 視聴者の支払額がそのまま収入にはなりません
  • 5つも6つも同時に登録する — 実績が分散してどれも育ちません
  • 本業の情報や取引先を成果物に使う — 秘密保持義務の問題になります
  • 「バレたくない」と「顔を出す配信」を両立させようとする — 成立しません

よくある質問

Q. 20代の副業実施率は本当に20%を超えているのですか。
男性20代で20.2%(前回比+11.4pt)です。正社員全体は11.0%(+4.0pt)なので、同世代だけが約2.9倍の速さで増えています(パーソル総合研究所 第四回副業調査)。

Q. 会社は副業を認めているものですか。
企業の副業容認率は64.3%ですが、これは「自社が認めている」ことの証明にはなりません。就業規則を確認してください。なおサポート実施率が36.3%(+9.0pt)と伸びているため、申請したほうが有利な会社は増えています。

Q. 顔を出さずに配信できますか。
できます。イラストを動かす形式があります。会社員が副業として行う場合、身元が特定されるリスクを下げられます。

まとめ

  • 男性20代の副業実施率は20.2%(+11.4pt)。正社員全体11.0%(+4.0pt)の約2.9倍の速さ
  • 企業側も容認率64.3%、受入率29.1%、サポート実施率36.3%(+9.0pt)
  • サポートの伸びが容認の伸びを上回る。「黙認」から「支援」へ移りつつある
  • 理由の1位は副収入(趣味資金)62.6%。生活費不足より上
  • 20代の13.6%が副業先へ転職(全体6.7%の約2倍)
  • 選択肢はA:自分を売る型B:時間で稼ぐ型に分かれる
  • 転職につながるのはAだが、最初の1〜2か月はBで慣れるほうが続く
  • Aを選ぶなら「3か月は収入ゼロでも続ける」と先に決める
  • 売るものは自分が地味だと思っていること。ツールの使い方を教えるのは20代の強み
  • 登録は2つまで。応募型で実績、出品型で単価
  • 配信は換算率と換金条件を規約で確認する
  • 売るものは本業の「周辺」から選ぶ。同じ領域は単価が高いが競業避止に触れやすい
  • 応募は件数より丁寧さ。最初の数件は値段を捨てて評価を買う
  • 受注後は着手前に完成物のイメージを1行確認する
  • 20万円以下でも住民税の申告は必要

最後に一言だけ。20代でこの数字が動いている理由は、やり直せる時間が長いからだと思います。3か月試して合わなければ別の型に移れます。その余裕がある時期に、選択肢の幅を知っておくこと自体が資産になります。

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Sources:
パーソル総合研究所|第四回 副業の実態・意識に関する定量調査
BIGO LIVE 公式サイト

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