プログラミングスクール5校|給付金で戻る額と中途解約の違約金

受講料を実質負担額で比べることを示すタイトル画像。給付は最大80%、対象は特定コースのみ、中途解約は法律で保障の3点を掲げている

プログラミングスクールを比べる記事は、たいてい「転職成功率」と「未経験から年収◯◯万円」で並んでいます。

その並べ方では判断できません。数十万円を払う側にとって必要なのは、実績の宣伝ではなく、いくら払っていくら戻るのか、途中でやめたらどうなるのかです。

この記事は支払う側の視点だけで整理します。国の給付制度と、法律で決まっている解約ルール。この2つを先に理解しておくと、各校のページで何を見ればよいかが分かります。

受講料そのものは書きません。料金とキャンペーンは頻繁に変わるため、記事に書くと古くなるからです。代わりに、公式サイトのどこを見て何を計算するかを示します。

この記事で分かること

  • 教育訓練給付制度の3種類と、それぞれの支給率・上限額・受給要件
  • プログラミングスクールが特定商取引法の保護対象になる条件
  • 中途解約したときに事業者が請求できる金額の上限
  • 受講料を比べるときに計算すべき4つの数字
  • 主要5校で確認すべき項目と、公式サイトのどこを見るか

先に確認する|国から戻ってくる可能性がある

一般20%上限10万円、特定一般40%上限20万円、専門実践50から80%で年間上限40万から64万円という3種類の支給率と被保険者期間の比較表
専門実践は最大80%・年間上限64万円。ただし対象は特定のコースに限られ、自分の被保険者期間も要件になります。

スクールの受講料は、条件を満たすと一部が戻ります。この制度を知らずに全額を自己負担している人がいます。

制度の名前は教育訓練給付制度で、雇用保険の被保険者(または離職から1年以内の人)が対象です。3種類あり、支給率と上限が違います。

種類 支給率 上限額 被保険者期間(初回)
一般教育訓練 教育訓練経費の20% 10万円 1年以上
特定一般教育訓練 40%
(資格取得・就職で+10%)
20万円
(追加分は5万円)
1年以上
専門実践教育訓練 50%
資格取得・就職で70%
賃金5%以上上昇で80%
年間40万円
年間56万円
年間64万円
2年以上

出典:ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」(2026年8月3日確認)

読み取るべき点を3つ挙げます。

  1. 専門実践は桁が違います。年間上限64万円で、最大3年間。受講料が数十万円なら、その大半が戻る可能性があります
  2. 2回目以降は被保険者期間3年以上が必要です。どの種類でも共通します
  3. 離職後は受講開始日まで1年以内という期限があります。辞めてから考えていると期限を過ぎます

自分が対象かを調べる手順

スクールの広告に「給付金対象」と書かれていても、対象なのは特定のコースだけです。同じスクールでも指定されていないコースがあります。

確実なのは、厚生労働省の検索システムで講座名を直接引くことです。

手順 やること
1 厚生労働省「教育訓練給付制度[検索システム]」を開く
2 スクール名または講座名で検索し、指定講座に載っているかを見る
3 載っていれば、3種類のどれかを確認する(支給率が変わります)
4 ハローワークで自分の被保険者期間を確認する
5 専門実践の場合、受講開始日の1か月前までに手続きが必要。締切から逆算する

4番目を飛ばさないでください。講座が指定されていても、自分の被保険者期間が足りなければ支給されません。スクールに聞いても分からない情報です。

途中でやめたときのルールは法律で決まっている

期間2月超かつ5万円超が該当条件、クーリングオフは8日以内、中途解約は開始前1万5000円まで、開始後は5万円か契約残額の20%の低いほうという上限を示す図
約款が法律を上回ることはありません。ただし期間2月以下または5万円以下の契約は対象外です。

もう一つ、契約前に知っておくべきことがあります。

一定の条件を満たす講座は特定商取引法の「特定継続的役務提供」にあたり、クーリング・オフと中途解約の権利が法律で保障されます。対象となる7役務のうち、プログラミング学習が関わるのはパソコン教室です。

項目 パソコン教室の場合
該当する条件 期間が2月を超え、金額が5万円を超えること
クーリング・オフ 法定の書面を受け取った日から数えて8日以内
中途解約(開始前) 事業者が請求できるのは1万5000円まで
中途解約(開始後) 提供済みの対価に加えて、5万円か契約残額の20%の低いほうまで
書面の交付 契約前に概要書面、契約後に契約書面を交付する義務がある

出典:消費者庁「特定商取引法ガイド|特定継続的役務提供」(2026年8月3日確認)

実務上の意味は次のとおりです。

  • 「返金不可」と書かれていても、法律の要件を満たす契約なら中途解約できます。約款が法律を上回ることはありません
  • ただし該当するかどうかは契約内容で決まります。期間2月以下、または5万円以下なら対象外です。短期・低額のコースは保護が及びません
  • 概要書面と契約書面が交付されない契約は避けてください。交付義務がある取引で書面が出てこないのは、事業者側の不備です

スクール側の「転職できなければ全額返金」という保証は、これとは別の話です。保証は各社が任意で設けた制度なので、適用条件も各社が決めます。次章で見ます。

計算に入れる受講料とコース内容は、各校の公式ページで確認してください。

TechAcademy公式サイト受講料とキャンペーンは変更される場合があります。給付制度の対象コースもあわせてご確認ください。

受講料を比べるときに計算する4つの数字

総支払額、給付金で戻る額、実質負担額、途中でやめた場合という4つの計算手順を並べた図
月額表記は分割前提のことが多いため、分割手数料を含めた総額で比べてください。

各校のページには月額が大きく書かれていることがあります。月額で比べると判断を誤ります。

順番 計算するもの 公式サイトのどこを見るか
1 総支払額
月額×回数+入学金+分割手数料
料金ページと、分割払いの注記
2 給付金で戻る額
総額×支給率(上限まで)
厚労省の検索システムで種類を確認
3 実質負担額
1 − 2
4 途中でやめた場合の負担
提供済み対価+解約金の上限
概要書面・契約書面の解約条項

1番目で見落とされやすいのが分割手数料です。24回払いなら手数料が総額に乗ります。月額表記は分割前提のことが多いため、一括の総額と並べて確認してください。

3番目まで出して、はじめて他校と比べられます。給付金の種類が違えば、表示価格が高いほうが実質は安いという逆転が起こります。

転職保証の適用条件を読む

「転職保証」「全額返金」を掲げるコースでは、適用条件を必ず確認してください。よくあるのは次のような条件です。

  • 年齢の上限(受講開始時点で一定年齢以下、など)
  • 学習時間・課題提出の要件(規定の時間を満たさないと対象外)
  • 転職活動の要件(紹介された求人への応募回数、面接の辞退不可、など)
  • 勤務地・職種の限定(保証の対象となる求人の範囲)
  • 申請期限(受講修了から何日以内に申請するか)

返金の可否はこれらを満たしたかどうかで判定されます。条件は契約書面に書かれています。広告のキャッチコピーではなく、書面で確認してください。

主要5校で確認すること

給付制度の対象コースか、質問できる時間帯と回数、受講期間の延長条件という3つの確認項目と、オンライン・転職支援・マンツーマン・実務志向・キャリア相談の5タイプ
受講料と給付対象は変動するため、この記事では確認項目のみを示しています。

ここから各校を挙げます。受講料は記載しません。変更されるためです。代わりに、そのスクールで特に確認しておきたい項目を書きます。

共通して確認するのは、前章の4つの数字と、次の3点です。

確認項目 なぜ必要か
給付制度の対象コースか 同じスクールでも対象外のコースがある
質問できる時間帯と回数 本業と並行する場合、深夜・休日に対応があるかで進み方が変わる
受講期間の延長条件 期間内に終わらなかったときの追加費用

TechAcademyオンライン

オンライン完結型のスクールです。現役エンジニアがメンターにつく形式で、コースが目的別に細かく分かれています。コース数が多いぶん、給付制度の対象になっているコースとそうでないコースが混在します。検討中のコース名で厚労省の検索システムを引いてから、料金を確認してください。

テックキャンプ転職支援

転職支援を前面に出したスクールです。転職保証を掲げるコースがあるため、適用条件(年齢・学習時間・応募回数・申請期限)を契約書面で確認することが最優先になります。保証は法律上の制度ではなく各社が任意で設けるものなので、条件は社ごとに異なります。

CodeCampマンツーマン

マンツーマンのレッスン形式が中心です。レッスンの予約可能な時間帯と、1回あたりの時間、受講期間内に消化できる回数を確認してください。本業と並行する場合、自分が学習できる時間帯に講師の枠があるかどうかが継続の可否を左右します。

ポテパンキャンプ実務志向

実務に近い課題とコードレビューを重視した構成のスクールです。レビューの回数や返却までの時間、カリキュラムで扱う技術範囲を確認してください。課題提出型は自分のペースで進めにくい面があるため、週あたりに確保できる学習時間と照らして判断します。

Tech Boostキャリア相談

キャリア相談を含む形で設計されたスクールです。受講期間を選べる形式の場合、期間によって総額が変わるため、月額ではなく総支払額で比べてください。延長したときの追加費用も、契約前に確認しておく項目です。

スクールに行かない選択も検討する

質問できる相手が要る、強制力が要る、転職支援が要る、体系的に学びたいという4つの理由について、妥当な場合と再考したほうがよい場合を対比した表
「まだ独学を試していない」段階で契約すると、比較の軸が価格だけになります。

公平のために書きます。プログラミングの学習は独学でも進められます。無料・低額の学習サービスは多数あります。

それでも費用を払う理由があるとすれば、次のどれかです。

払う理由 妥当な場合 再考したほうがよい場合
質問できる相手が要る 独学でエラーに詰まって止まった経験がある まだ独学を試していない
強制力が要る 期限がないと続かない自覚がある 期限があっても続かなかった経験がある
転職支援が要る 実務未経験で応募先が分からない すでに実務経験があり職務経歴で戦える
体系的に学びたい 何から学ぶかを調べる時間がない 学ぶ範囲がすでに決まっている

「まだ独学を試していない」なら、先に無料の教材で数週間やってみることをおすすめします。そこで詰まった内容が、スクールに求めるものの具体像になります。何に困るか分からないまま契約すると、比較の軸が価格だけになります。

副業として考える場合の注意

副業目的で検討している場合、費用の回収に何時間かかるかを先に見積もってください。

当サイトのスキルアップできる副業6選で書いたとおり、クラウドソーシング経由の案件では報酬から16.5%〜20%の手数料が引かれます。受講料20万円を回収するには、手数料を引いた後で20万円を稼ぐ必要があります。

また、本業がある人は労働時間の通算にも注意が必要です。

学習費用は副業を事業として行う場合に経費になり得ますが、所得区分の判定は帳簿書類の保存の有無などで決まります。この点は雑所得と事業所得の違いを参照してください。

契約前のチェックリスト

  • 検討中のコース名で厚労省の検索システムを引いた
  • 指定講座であれば、3種類のどれかを確認した
  • ハローワークで自分の被保険者期間を確認した
  • 専門実践の場合、受講開始1か月前の手続き期限から逆算した
  • 総支払額(月額×回数+入学金+分割手数料)を計算した
  • 実質負担額(総額−給付金)を出して他校と比べた
  • 概要書面と契約書面が交付されることを確認した
  • 中途解約したときの負担額の上限を書面で確認した
  • 転職保証がある場合、適用条件をすべて書面で確認した
  • 質問できる時間帯が自分の生活リズムに合うか確認した
  • 受講期間の延長費用を確認した
  • 独学を先に試したか、試さない理由を説明できる

やめておいたほうがいい進め方

進め方 問題
月額の安さだけで決める 分割手数料と期間で総額が逆転する
「給付金対象」の表示を鵜呑みにする 対象は特定コースのみ。自分の被保険者期間も別途必要
無料相談で当日中に契約する 書面を持ち帰って読む時間がなくなる
転職保証を前提に資金計画を立てる 適用条件を外れると全額自己負担になる
借入で受講料を払う 収入が発生する保証はない。返済だけが確定する

よくある質問

Q. 受講料は国から戻ってきますか。
教育訓練給付制度の対象コースであれば戻ります。専門実践教育訓練なら最大80%・年間上限64万円です。雇用保険の被保険者(離職から1年以内の人も対象)が要件で、種類によって支給率と上限が違います。

Q. 途中でやめたら返金されますか。
期間が2か月を超え、金額が5万円を超える契約なら中途解約できます。特定商取引法の「特定継続的役務提供」に該当するためです。事業者が請求できるのは開始前なら1万5000円まで、開始後は提供済みの対価+5万円か契約残額の20%の低いほうまでです。「返金不可」という約款が法律を上回ることはありません。

Q. 料金はどこを比べればいいですか。
月額ではなく総額で比べてください。月額×回数+入学金+分割手数料が総支払額です。そこから給付金で戻る額を引いた実質負担額で並べると、表示価格が高いほうが実際は安いという逆転が起こることがあります。

まとめ

  • 教育訓練給付制度は3種類。専門実践は最大80%・年間上限64万円で桁が違う
  • 対象は特定のコースのみ。厚労省の検索システムでコース名を直接引いて確認する
  • 講座が対象でも、自分の被保険者期間(初回1〜2年以上)を満たす必要がある
  • 期間2月超・金額5万円超の講座は特定商取引法の保護対象。クーリング・オフ8日、中途解約可
  • 中途解約時に請求できる上限は、開始後で5万円か契約残額の20%の低いほう
  • 比べるのは月額ではなく実質負担額(総支払額−給付金)
  • 転職保証は法律の制度ではない。適用条件を書面で確認する

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