投資の種類と選び方|仕組み・リスク・NISAの課税

投資 種類

投資の種類を覚えようとすると、商品名の羅列になって整理がつきません。「何が変動して損益が生まれるのか」という仕組みで分けると、数が少なくなります。

この記事では、種類を並べる前に①投資と副業の違い → ②仕組みによる分類 → ③リスクの所在 → ④税金と手数料 → ⑤無登録業者の確認方法という順で整理します。

最初に前提をお伝えします。この記事は特定の金融商品やサービスの購入を推奨するものではありません。投資は元本が保証されず、損失が生じる可能性があります。判断はご自身で行ってください。

この記事で分かること

  • 投資と副業は何が違うのか
  • 投資の種類を仕組みで4つに分ける整理の仕方
  • リスクがどこに存在するのか
  • NISAの現行制度と課税の扱い(暗号資産の税制変更を含む)
  • 無登録業者を金融庁のデータで確認する方法

投資と副業は性質が違います

論点 副業(労働) 投資
収入の源 自分の時間と労力 資産の価格変動や分配
元本 失うものがない 元本が減る可能性がある
時間との関係 働いた分だけ収入になる 時間を使っても増えるとは限らない
就業規則 制限の対象になることが多い 一般に副業規定の対象外だが確認は必要
所得区分 給与所得・事業所得・雑所得 商品により異なる
再現性 同じ作業なら同じ収入 過去の結果は将来を保証しない

ここを混同すると判断を誤ります。「副業で稼ぐ」と「投資で増やす」は別の話です。収入を増やしたいなら副業、手元の資産の置き場所を考えるなら投資、という切り分けになります。

順番としては、先に副業や固定費の見直しで手元の現金を確保するほうが確実です。投資は減る可能性があるため、生活に必要なお金で行うものではありません。

仕組みで4つに分ける

種類 損益が生まれる仕組み 主な変動要因
1. 株式・投資信託 企業の価値の変動と分配(配当・分配金) 企業業績、景気、金利、為替
2. 債券 発行者への貸付に対する利息と価格変動 金利、発行者の信用力、為替
3. 不動産・REIT 賃料収入と物件価格の変動 賃貸需要、金利、地域の状況、空室
4. 暗号資産 需給による価格変動のみ 需給、規制、取引所の動向

この分類で見ると、4番目には「分配」の仕組みがないことが分かります。株式には配当、債券には利息、不動産には賃料という収入源がありますが、暗号資産は価格が動くことだけが損益の源です。

これは良い悪いの話ではなく、性質が違うという事実です。価格が上がらなければ収益が発生しない構造になっています。

投資信託は「入れ物」です

混乱しやすい点を1つ整理します。投資信託は資産の種類ではなく、複数の資産をまとめた入れ物です。

  • 株式を集めた投資信託 → 中身は株式のリスク
  • 債券を集めた投資信託 → 中身は債券のリスク
  • 不動産を集めたもの(REIT) → 中身は不動産のリスク
  • 複数を組み合わせたもの(バランス型) → 中身の比率でリスクが決まる

したがって「投資信託だから安全」ということはありません。中身が何かを確認する必要があります。

リスクはどこに存在するか

リスクの種類 内容 影響を受けやすいもの
価格変動 市場の値動きで元本が減る すべて
信用 発行者や借り手が支払えなくなる 債券、貸付型
為替 円換算した金額が変わる 外貨建ての資産
流動性 売りたいときに売れない・不利な価格になる 不動産、取引量の少ないもの
金利 金利が上がると債券価格は下がる関係にある 債券、不動産
制度・規制 ルールの変更で扱いが変わる 暗号資産、税制の影響を受けるもの
事業者 取引先の事業者に問題が生じる すべて(登録の確認が必要)

「リスクが低い商品」を探すより、どのリスクを受け入れるのかを決めるほうが実用的です。すべてのリスクを避けることはできません。

NISAの現行制度

税制上の枠として用意されているのがNISAです。数値を正確に押さえてください。

項目 内容
つみたて投資枠 年間120万円
成長投資枠 年間240万円
併用した場合の年間合計 360万円
非課税保有限度額(生涯) 1,800万円
うち成長投資枠の上限 1,200万円
非課税保有期間 無期限(従来のつみたてNISAは20年、一般NISAは5年)
制度 2024年1月から恒久化
対象年齢 日本国内に住んでいる18歳以上(利用する年の1月1日時点)
口座数 1人につき1口座のみ

出典:金融庁「NISAを知る」

注意点として、NISAは損益通算ができません。課税口座で出た利益とNISA口座で出た損失を相殺することはできない仕組みです。非課税という利点と引き換えの制約です。

課税の扱い

対象 課税の扱い
上場株式・投資信託などの譲渡益・配当 申告分離課税。20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)
NISA口座内 非課税(ただし損益通算はできない)
暗号資産(現行) 雑所得として総合課税。他の所得と合算され、税率は所得に応じて変わる
暗号資産(改正後の方向) 後述

暗号資産の税制が変わる方向にあります

令和8年度税制改正の大綱(令和7年12月26日 閣議決定)に、暗号資産の課税を見直す内容が盛り込まれています。

  • 居住者が「特定暗号資産」を暗号資産取引業者に譲渡した場合の譲渡益について、20%(所得税15%・住民税5%)の申告分離課税とする
  • 特定暗号資産の譲渡による損失について、一定の要件のもとで3年間の繰越控除を認める
  • 暗号資産取引業者は、取引を行った居住者の情報等を翌年1月31日までに税務署へ報告する

出典:財務省「令和8年度税制改正の大綱」

重要なのは適用の時期です。この分離課税は、金融商品取引法の改正の施行に関係して適用が始まる仕組みになっています。現時点で行う取引がどちらの扱いになるかは、必ず国税庁の情報で確認してください。

また、対象は「特定暗号資産」を国内の登録業者に譲渡した場合という条件付きです。すべての暗号資産取引が自動的に20%になるわけではありません。

4つの種類をもう少し詳しく

1. 株式・投資信託

企業の株式を持つ、または株式をまとめた投資信託を持つ形です。損益は株価の変動配当・分配金から生まれます。

項目 内容
最低金額 投資信託は少額から購入できるものがある。個別株は銘柄によって必要額が変わる
売買のしやすさ 上場しているものは市場が開いている時間に売買できる
情報の入手 企業が決算などを公表しているため、判断材料が比較的多い
注意点 個別企業に集中すると、その企業の問題がそのまま影響する

2. 債券

国や企業に貸し付け、利息を受け取る形です。満期まで持てば額面が戻る仕組みのものがありますが、途中で売る場合は価格変動の影響を受けます。

項目 内容
収益の源 利息が中心。値上がり益を狙う性質は株式より小さい
金利との関係 金利が上がると債券価格は下がる関係にある
信用リスク 発行者が支払えなくなる可能性。発行者によって差が大きい
注意点 「安全」と説明されることがあるが、外貨建てなら為替の影響を受ける

3. 不動産・REIT

物件を保有して賃料を得る、または不動産をまとめたREITを持つ形です。実物の不動産とREITでは実務が大きく違います。

比較項目 実物の不動産 REIT
必要な金額 大きい。借入を使うことが多い 比較的少額から
売却 時間がかかる。すぐには売れない 市場で売買できる
管理 入居者対応・修繕が発生する 不要
空室の影響 直接受ける 分散されている
借入 使う場合、損失時も返済義務が残る 通常は使わない

実物の不動産は借入を伴うことが多く、副業的な感覚で始める規模ではありません。価格が下がっても借入の返済義務は残ります。

4. 暗号資産

項目 内容
収益の源 価格変動のみ。配当・利息・賃料に相当するものがない
価格の変動幅 他の資産と比べて大きくなりやすい
取引時間 市場の休みがない。値動きを常に追えるわけではない点に注意
業者の確認 金融庁の暗号資産交換業者の登録一覧で確認する
税金 現行は雑所得・総合課税。改正の方向は前述
保管 取引所に預けるか自分で管理するか。いずれも紛失・流出のリスクがある

最後の項目は他の資産にない論点です。秘密鍵やパスワードを失うと、資産にアクセスできなくなる場合があります。保管方法を理解してから扱ってください。

手数料は確実なマイナスです

価格が上がるかどうかは分かりませんが、手数料は確実に発生します。ここは比較できる部分です。

確認する費用 内容
購入時の手数料 買うときに差し引かれる分
保有中の費用 投資信託の信託報酬など。保有し続ける間ずっとかかる
売却時の手数料 売るときに差し引かれる分
スプレッド 買値と売値の差。手数料無料と表示されていても実質的な費用になる
為替手数料 外貨建ての場合、円と外貨の交換時にかかる
入出金の手数料 口座への入金・出金にかかる場合がある

とくに2番目です。保有中の費用は毎年かかり続けます。長期で持つ前提なら、購入時の手数料より影響が大きくなります。

4番目も見落とされやすい点です。「手数料0円」と表示されていても、買値と売値の差(スプレッド)が実質的な費用になります。暗号資産では特に確認してください。

無登録業者を確認する方法

投資に関するトラブルで最も避けたいのが、そもそも登録を受けていない業者と取引してしまうことです。金融庁が確認手段を公開しています。

確認先 用途
免許・許可・登録等を受けている事業者一覧 銀行、保険、金融商品取引業者、暗号資産交換業者などの登録の有無を確認する
無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について 金融庁(財務局)が警告書を発出した業者の名称を確認する
無登録業者との取引は要注意 無登録業者と取引した場合のリスクを確認する

なお金融庁は、業種を横断して一括検索できる「金融事業者一括検索機能」の運用を2026年1月30日に開始しています。業者名から登録状況を調べられます。

出典:金融庁「『金融事業者一括検索機能』の運用開始について」

持ちかけられた話の見分け方

次のいずれかに当てはまる話は、内容を確認する前に距離を取ってください。

  • 「元本保証」「必ず儲かる」と言う — 投資に元本保証はありません
  • 利回りが相場から大きく外れている — 高い利回りには理由があります
  • 金融庁の登録が確認できない — 一覧で名前を探してください
  • SNSやマッチングアプリで知り合った相手からの勧誘 — 記録の残らない経路です
  • 「今だけ」「あなただけ」と急かす — 判断の時間を与えない手法です
  • 出金しようとすると手数料や税金を追加で求められる — 資金を回収できない典型的な流れです

始める前の順番

順番 やること 理由
1 生活に必要な現金を確保する 投資は減る可能性がある。取り崩せない資金では行わない
2 固定費を見直す 手取りを増やすほうが確実で、効果が続く
3 目的と期間を決める 何年後に何のために使うかで選ぶものが変わる
4 登録業者かどうかを確認する 金融庁の一覧で確認する
5 手数料と税金の扱いを確認する 確実に発生するマイナスを先に把握する
6 失っても生活に影響しない金額で始める 判断の練習になる。最初から大きく入れない

1番目と2番目を飛ばして投資から始めると、価格が下がったときに売らざるを得ない状況になります。これが最も避けたい状態です。

目的と期間から逆算する

「何を買うか」より先に決めるべきことがあります。いつ、何のために使うお金なのかです。ここが決まると、選べる範囲が自然に狭まります。

使う時期 考え方
1年以内に使う 価格変動のあるものには向かない。必要な時期に減っている可能性がある
数年後に使う 使う時期が決まっているため、その時点の価格に左右される
使う時期を決めていない 下がっても待てる。時間を味方にできる唯一の条件

1番目が重要です。来年の学費や引っ越し費用を投資に回すのは、目的と手段が合っていません。必要な時期に価格が下がっていれば、損失を確定させて使うことになります。

逆に3番目の条件があるなら、価格が下がった局面で売らずに待てます。「待てるお金かどうか」が、投資に向くかどうかを分けます。

金額より「続けられるか」で決める

一度に大きく入れるか、少額を継続するかという論点があります。どちらが有利かをこの記事で断定はしませんが、実務上の違いは整理できます。

  • 一度に入れる — その時点の価格で全額が決まる。上下どちらにも振れ幅が大きい
  • 少額を継続する — 購入時期が分散する。ただし価格が上がり続ける局面では平均取得価格も上がる
  • 共通して重要途中でやめると、その時点の価格で結果が確定する

3番目が実務では最も効きます。「下がったから怖くなってやめる」が起きにくい金額に設定しておくことが、方法の選択より重要です。

会社員が確認すること

  • 就業規則 — 投資は一般に副業規定の対象外とされることが多いですが、規定の文言を確認してください
  • インサイダー取引 — 勤務先や取引先の未公表の重要情報を知って売買すると、法令違反になります。自社株の売買に社内ルールがある場合が多いので必ず確認してください
  • 確定申告 — 特定口座(源泉徴収あり)なら原則申告不要ですが、損失の繰越控除を使う場合は申告が必要です
  • 暗号資産 — 現行は雑所得として総合課税です。給与と合算されるため、税率は所得に応じて変わります

2番目は軽視できません。「知っていた情報で取引した」という状態は、本人の意図とは別に問題になり得ます。勤務先の関連銘柄は扱わないという線引きが安全です。

各サービスの条件を確認する

口座の開設先や取扱商品、手数料の水準はサービスごとに異なります。条件は変更されるため、必ず公式サイトで最新の内容を確認してください。

楽天証券証券会社

国内の大手ネット証券です。株式や投資信託などを取り扱っています。投資は元本が保証されず、購入時より価格が下がれば損失が出ます。取扱商品、売買手数料、口座開設に必要な書類は変更されることがあるため、申し込み前に公式サイトで最新の条件を確認してください。

トウシカ投資体験アプリ

実際の資金を使わずに、投資信託などの値動きを体験できるアプリです。仕組みを理解する段階で使う形になります。体験と実際の取引では、手数料や税金の扱いが異なります。実際に投資を始める場合は元本が保証されない点を含め、利用条件を公式サイトで確認してください。

bitFlyer暗号資産交換業者

金融庁への登録を受けた暗号資産交換業者です。暗号資産は価格の変動が大きく、元本は保証されません。取引の種類によって手数料の考え方が異なります。取扱通貨、手数料、登録に必要な書類は変更されることがあるため、申し込み前に公式サイトで確認してください。

GMOコイン暗号資産交換業者

金融庁への登録を受けた暗号資産交換業者です。暗号資産は価格の変動が大きく、購入時より下がれば損失が出ます。元本は保証されません。取扱通貨、各種手数料、口座開設に必要な書類は変更されることがあるため、申し込み前に公式サイトで最新の条件を確認してください。

暗号資産を扱う場合は、金融庁の暗号資産交換業者の登録一覧で登録の有無を確認してください。登録業者であっても、価格変動によって損失が生じる可能性は変わりません。

チェックリスト

  • 投資と副業の性質の違いを理解した
  • 生活に必要な現金を確保した
  • 固定費の見直しを済ませた
  • 目的と期間(何年後に何のために)を決めた
  • 買おうとしているものの損益が生まれる仕組みを説明できる
  • 投資信託の場合、中身が何かを確認した
  • 手数料(購入時・保有中・売却時・スプレッド)を確認した
  • 金融庁の一覧で登録業者かどうかを確認した
  • NISAを使う場合、年間枠と生涯枠、損益通算できない点を理解した
  • 暗号資産を扱う場合、現行は雑所得・総合課税である点を確認した
  • 勤務先の自社株売買に関する社内ルールを確認した
  • 失っても生活に影響しない金額で始めることにした

やめておいたほうがいい進め方

  • 生活資金で投資する — 下がったときに売らざるを得なくなります
  • 仕組みを説明できないものを買う — 何が変動しているか分からないものは判断できません
  • 「投資信託だから安全」と考える — 中身のリスクがそのまま反映されます
  • 手数料を確認しない — 保有中の費用は毎年かかり続けます
  • 「元本保証」「必ず儲かる」という話に乗る — 投資に元本保証はありません
  • 登録を確認せずに取引する — 金融庁の一覧で確認できます
  • SNSやマッチングアプリ経由の勧誘に応じる — 記録が残らず、回収も困難になります
  • 勤務先の関連銘柄を扱う — インサイダー取引の問題が生じ得ます
  • 借入をして投資する — 損失が出た場合に返済義務だけが残ります

よくある質問

Q. NISAの枠はいくらですか。
つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円、併用時の合計は年間360万円です。非課税保有限度額は生涯で1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円)、非課税保有期間は無期限です。

Q. 手数料無料なら費用はかかりませんか。
かかる場合があります。買値と売値の差(スプレッド)が実質的な費用になります。また投資信託には保有中の費用(信託報酬)が毎年かかります。

Q. 会社員が投資すると就業規則に触れますか。
投資は一般に副業規定の対象外とされることが多いですが、規定の文言は確認してください。より重要なのはインサイダー取引です。自社株の売買に社内ルールがある場合が多いため、必ず確認してください。

まとめ

  • 投資と副業は性質が違う。収入を増やすなら副業、資産の置き場所を考えるなら投資
  • 種類は①株式・投資信託 ②債券 ③不動産・REIT ④暗号資産で整理できる
  • 暗号資産には「分配」の仕組みがない。価格変動だけが損益の源
  • 投資信託は入れ物。中身が何かでリスクが決まる
  • NISAは年間360万円・生涯1,800万円・非課税期間は無期限・18歳以上・1人1口座
  • NISAは損益通算ができない
  • 上場株式等の譲渡益・配当は20.315%の申告分離課税
  • 暗号資産は現行は雑所得・総合課税。令和8年度税制改正の大綱で20%の分離課税とする方向が示されている(適用時期と条件は要確認)
  • 手数料は確実なマイナス。保有中の費用とスプレッドを確認する
  • 金融庁の一覧で登録業者かどうかを確認する。2026年1月30日から一括検索機能あり
  • 会社員はインサイダー取引と自社株の社内ルールを確認する
  • 失っても生活に影響しない金額で始める

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Sources:
金融庁|NISAを知る
財務省|令和8年度税制改正の大綱
金融庁|免許・許可・登録等を受けている事業者一覧
金融庁|無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について
金融庁|「金融事業者一括検索機能」の運用開始について

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