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「ALLY」ってわざわざ言わなきゃダメ?|LGBT-ALLY Network ALLYメンバー対談

社内のLGBTQ+コミュニティ「LGBT-ALLY Network」では、LGBTQ+への理解促進のため、不定期に社内報でメンバー対談やイベントレポートなどの発信を行っています。

コミュニティを運営する芦田に「いい記事だし、採用ブログにも載せない?」と提案したところ、快諾いただけたので張り切って紹介したいと思います!

今回ご紹介するのは、LGBTQ+当事者のメンバー×ALLYメンバーの対談です。

ALLY

LGBTQ当事者たちに共感し、寄り添いたいと考え、支援する人のこと。
「味方」や「仲間」、「同盟」を意味する英単語「ally」が由来。

「ALLY」を表明する意義について考えます。

📢スピーカー紹介

セクシュアリティはクエスチョニング(自分の性別がわからないから定めない)。好きなお家時間は近所のケーキ屋の新作ケーキを買って食べること 。

セクシュアリティはトランスジェンダー(FtM)。好きなお家時間は、カレーを作るときに時間をかけて玉ねぎを炒め続けている時です!

新卒採用、組織開発担当。ALLYメンバー。好きなお家時間は、家族のみんなでご飯時間♡

ALLYメンバー。好きなお家時間は犬と猫に囲まれて寝返り打てない状態でのお昼寝(辛いけど幸せ)

ALLYになろうと思ったきっかけ

LGBTに関する取り組みって、そもそもLGBT当事者である僕たちは目が向きますけど、そうではない人はどうしてALLYになろうと思ったのか興味があります。

僕がLGBTに関する取り組みに興味を持ったきっかけは芦田さんでした。芦田さんが同じ部署に異動をしてきたときに「クエスチョニング」という言葉を知って。クエスチョニングって何?って印象に残ったんです。
また、組織開発でもダイバーシティの知識は不可欠ですし、最近では新卒採用でも、ジェンダー問題への関心は高まっており、わたし自身も自然と興味を持つようになりました。

身近にせまってきた感じですか?

そうですね。これまで誰かからカミングアウトをされたことがなかったので、芦田さんが初めてだったと思います。

そうだったんですね! 来年入社の新卒自己紹介リレーでも、ジェンダー関連の話題がありましたね。

LGBTもそうですが、女性の働き方の観点も含めて「D&Iについて御社ではどういう取り組みをしていますか?」とよく聞かれたりします。ちなみに面談のときにはこの背景を使っているので、LGBT-ALLY Networkのオリジナル背景を指さしたりしてアピールしていますよ。

LGBT-ALLY NetworkオリジナルZoom背景

わたしの場合は、小学校のころに耳が聞こえない友だちがいたんですよ。
例えば、この人が辛い食べ物が嫌いってわかっていて、一緒に辛いものを食べにいったりしないじゃないですか。それと同じで、この子が耳が聞こえないとわかっていて、わざわざ唇が読めない後ろから話しかけたりしない。特別扱いというよりは、「こうしてあげた方がいい」と配慮をする思いやりが当たり前にあったんですね。
LGBTの人も同じ。ALLYになろうという感じではなく、社内でそういう取り組みをしている人がいたら応援したいと自然に思えました。

そうなんですね。ただ、僕の身近な人たちは、LGBTについては否定はしないけど、わざわざ「ALLYです」とは言わないというケースが多いんです。

そう。ALLYであると別に言わなくてもいいとも思えますが、一歩踏み出してALLYを表明できているのはなぜなんでしょう。

それは今芦田さんと同じ部署で一緒に働いているからかな。もしそうでなかったら、ALLYって言ってなかったと思います。
わたしはAG入社当時はALLYを公言はしていませんでした。ただ、LGBT-ALLY Networkはずっと気になっていたんです。社内配信でLGBT-ALLY Networkの紹介を行っていた時に「誰でも入れるよ!」と仰っているのを聞いて、それならわたしも入りたいと思ったし、一緒にできることをしたいと思いました。

ALLYを表明することの大切さ

ALLYを表明すること、しないことで、どんな影響があるんでしょうか?

LGBTは見えないアイデンティティーとも言われているように、見た目でわからないじゃないですか。大多数がクローズにしていると、当事者同士でも仲間が探せない。ALLYも同じ。目に見えてALLYかどうかわからないから、LGBTについて相談できる人がどこにいるかわからない。
そういうときに、ここにALLYがいるってわかるだけで心理的にも安心ができる。だから、LGBTを知っているよというレベルではなく、「わたしはALLYだよ」って表明していることって結構重要な事なんですね。

僕は表明しているものの、きちんと相談に乗れるか不安はあります。

これをいうと逆にALLYと言いづらくなってしまうかもしれませんが、LGBT当事者もALLYも全員がすべてを知っているわけではありません。セクシュアリティもたくさんあるので、わからないことも多いと思う。だから、なにかあったときに「一緒に考えよう」というスタンスでいいんです。

学校社会では学生同士が、友人として親密なつながりを持てます。しかし、職場の人間関係はビジネスが前提。そのため親密な関係は築きにくいんです。親しい友だちに言えていたことを、会社では誰に相談すればいいのかわからず困ったりもすると思う。また、ロールモデルがいないか探したいときに職場内で確認できる場所があることは重要です。

ハードルが高い一歩ではないはずなのに、ALLYが増えないのはなんでだろうと考えていたんですが、ALLYになるためには何をすればいいんだろうって思っている人が踏み出せないのかも。なにかあったときに「わたしは味方だよ」ってその気持ちだけでいい。そこが伝わっていないのかと。

相談されたときに、上手く答えられるかなって不安に思われているのかな。

正直、専門的な対応を求めている訳ではなく、ちょっとした愚痴を聞くだけでもいいんですよね。

逆に、ALLYに期待したいことはありますか?

僕は高校生の頃、数学の先生が授業中に、当時珍しくLGBTの話をしたんですね。「女性だけど女性が好きっていう卒業生の相談にのっている」という話で。その先生は「決しておかしいことではない」って言っていたから、この人なら相談できるかもって思いました。クラスの雰囲気が「なにそれ~」みたいになったので、そのときは打ち明けることはできなかったけれど。
当事者以外の人が、「そういうことがおかしいことではないんだよ」っていうことを広めていってほしいなと思います。

わたしが以前、学童で働いていたとき、男の子は青、女の子は赤の名札に名前をか書いていました。でもわたしはそういうのが嫌で、黄緑とか黄色とかも使って「好きな色にしよう!」って言ってました。
あと、こどもの呼び方とか。学童で働いていた時、もしかしたらLGBTなのかなって思う子がいて、その子に絶対に嫌な思いをさせたくなかったので、わたしは学童でみんなを呼び捨てにしていた。

大切ですね。小さなころから、男の子は青、女の子は赤みたいな、赤と青に分けられた子たちは、その分けられた記憶で育っちゃう。これは男の子がやること、女の子がやることみたいに刷り込まれちゃうんですよね。

選択肢を残しておいてほしいですよね。小学校のころ、兄が使わないからとのことで新しい黒い筆箱をもらったとき、嬉しくて学校で自慢したら「女の子のくせに黒い筆箱使っている」っていじられて泣いたことがあります。
既存のルール等に対して、こういうことはおかしいって意見を一緒に言える人が少しでも増えたらいいなと思います。

男女の刷り込みと合致しないことで違和感を持つ人もいるんですね。そういうことって反射的な思考もあるから、じわじわ草の根で活動して知ってもらうことが大切だと思う。
AGは、LGBT当事者がカミングアウトしていることは前向きに映りますが、当事者ばかりが発信をしていると、当事者しか関われない問題と見えてしまい、LGBT当事者とALLYの間に距離が広がって、ALLYと表明することを遠慮してしまうかもしれません。そうならないよう、ALLYも当事者と一緒になって発信をしていきたいですね。

最後にALLYとしてメッセージをお願いいたします。

ALLYになることはそんなにハードルが高いわけではないんだよって伝えたい。僕自身も社会人になるまで興味関心はなかったし、もしかしたら傷つける言葉を発していたかもしれない。
それぞれのタイミングやきっかけで意識を持ち始めて、偏見を持たないようにしようと思うだけでもLGBT当事者にとって勇気を与えられるALLYという存在になれると思う。

当事者の人たちが苦しくなったときに「愚痴きくよ?」って思えるなら、もうあなたはALLYって言っていいと思います!

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