NPOで副業は可能?認められる条件・メリット

NPO 副業

さまざまな副業パターンが紹介されるようになり、副業の持つ役目も大きく変わり始めてきました。

 

収入の補助的要素が強かったものが、ボランティア活動やNPO活動など無償の活動の意味合いを含むようになってきたのです。

 

そこで、今回は副業としてのNPO活動にスポットライトを当ててみます。まだまだ副業禁止という企業も多い中、NPOでの副業は問題ないのでしょうか?本業の種類ごとに、その実例をご紹介します。

副業としてNPOが広まったきっかけは?

公務員の就業規則にあたる「国家公務員法」「地方公務員法」で禁じられていた副業が、内閣人事局が「副業と認める範囲の活動に限り認められるようになる」という方針が2018年6月に決まりました。

 

この認められる活動にあたるのが、「公益的活動」を目的とする活動であり、これこそがNPOやNGO(非政府組織)での活動なのです。

 

この流れが、社会全般でNPO活動を副業のひとつとしてとらえる動きになったと考えられます。

サラリーマンと公務員のNPO活動は認められる?

現状では、NPO活動は副業として認められているのでしょうか?公務員のケースとサラリーマンのケースで分けて確認してみましょう。

公務員の場合

現状では、「上長の許可を得た場合に限り」NPO活動は認められます。これは無償・有償いずれにもあてはまります。

 

もちろん、法外な謝礼を受け取るようなものは、許可そのものがおりない可能性もありますが、NPO活動にそのようなケースはまずありません。

 

すでに、いくつかの自治体ではNPO活動を許可する動きがあり、例えば、神戸市では2017年4月から独自の許可基準を設けています。

サラリーマンの場合

一方、サラリーマンの場合、確認が必要なのが「就業規則」です。

 

無償でのNPO活動であれば、ボランティアと同じく問題ないのですが、有償の場合は、会社によっては禁止事項ととらえられる可能性があるので、きちんと確認しましょう。

 

ボランティアと同じく、公益的活動ということで、「収入」ではなく「謝礼」という理解がされ、企業でも認められていることが多く、最近では、サラリーマンの方でも、NPO活動を副業とする方も多いです。

働き方改革を後押し!NPO活動の社会貢献メリット

法律で禁止されていた公務員の副業が、NPO活動に限り解禁されている流れからもわかるように、NPO活動が持つメリットは、国の社会改題を解決するメリットが多いです。

 

そこで、社会貢献としてのメリット、そして個人としてのメリット双方からみてみましょう。

社会的メリット
・NPO業界で蔓延している人手不足をローコストで解消できる
・社会的な問題を実体験として体感し、当事者意識が生まれる
・働き方改革を推進される中で、生まれる可能性がある「自分探し難民」へ活動の場を与える

個人的メリット
・新たなコミュニティに属せる
・人脈を手に入れることができる
・新たな価値観や幅広い視野と、ワークライフバランスを見直せる
・NPO活動で得た知見や価値観を、ビジネスやキャリアプランに生かせる

NPO活動に挑戦することで、地域や社会の現状や問題と向き合う機会が増え、自分のキャリアップを考える上で、全く別の視点を持つことができるようになるのです。

 

社会・個人双方のメリットにシナジーが働けば、生産的なサイクルが継続的に生み出されるでしょう。

副業としてNPO活動をしている人の事例

それでは、実際にNPO活動を副業にしている人の体験談をご紹介します。

サラリーマンの副業

商社勤務の男性がLGBT(性的マイノリティ)を支援するNPO法人支援に参画

 

「今まであまり知らなかったLGBT問題への理解が深まり、自分に何ができるのか探る中で本業に関係する仕事にもつなげることができた」という感想にもあるように、自分とは異なる価値観に触れることで、知見も広がり、社会貢献だけでなく自身の成長に直接つながっていますね。

 

メーカー勤務をしながら、NPO法人の共同理事を務める

 

社外勉強会でNPOについて学ぶ機会があり、そこで知り合ったメンバーで「本業以外の時間で社会貢献する」という活動を軸とするNPO法人化に参画したそうです。

 

NPO法人での給与は一切発生しておらず、完全に「NPO活動」として従事するというスタイル。団体を支援する個人を支援することの社会的意味を体感しているという言葉は、企業という「社会」に対しての貢献も含む壮大なプロジェクトの予感を感じますね。

公務員の副業

NPO運営の障がい者施設の深夜・早朝身辺介助のスタッフを副業で

 

週に2〜3日の勤務だけで問題なく、夜間や早朝など公務員としての勤務に支障を来さず副業として取り組めます。今の社会問題を実際に体感することで、自治体として何ができるかを考えるきっかけにもなります。

 

また障がいがある方が、どのようなことに不便を感じているのか、といった今まで気づかなかった視点で日常を見つめ直すこともできるのは、学びが多い活動ですね。

 

週末だけ農家のお手伝い

 

町職員として勤務しながら、地元の農家のお手伝いを副業に。人手不足に悩む農家にとっても重宝されることで、まさに社会貢献度の高い活動です。

 

普段の業務とは全く異なる職種に挑戦することもでき、そこで新たな興味を持つこともあるようです。今後、外国人労働者の受け入れも進む中、公務員の知見を生かすこともできる双方向性が高いケースです。

まとめ

今後、より広がりを見せるであろうNPO活動。お金では手に入らない貴重な知見や価値観を手に入れることができ、社会貢献にもつながる、そんな副業は、企業も政府も推奨しているのが最近の流れです。

 

まずはどんな活動があるのか。副業可能なNPO活動を探してみるのも、社会貢献の第一歩ではないでしょうか。

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