正社員の副業において、ほとんどのケースが「事業所得」、もしくは「雑所得」に当たると言われています。給与所得に該当する、アルバイトの様な雇用契約を伴う副業は原則行えない場合が多いからです。
しかし、
「そもそも事業所得と雑所得の違いって何?」
と言った疑問を持つ方も多いでしょう。
本記事では「事業所得」と「雑所得」の違い/副業がバレない確定申告の方法を解説していきます。
関連記事『【給与所得編】会社に副業がバレない方法はあるのか?』
目次
事業所得と雑所得の違いに明確な定義はない
結論から説明すると、「事業所得」と「雑所得」は明確に区別されているわけではありません。税務署が、「職業」「収入」「副業歴」「副業の認知度」など、あらゆる要素を加味して、いずれに該当するかを判断するのです。
つまり、自身が行っている副業がどちらに当たるかは、直接税務署へ相談するのが一番ということになります。
事業所得は「事業」から生じた所得
国税庁HPでは事業所得を以下のように説明しています。
事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得をいいます。ただし、 不動産の貸付けや山林の譲渡による所得は事業所得ではなく、原則として不動産所得や山林所得になります。
参考:国税庁『No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)』
不動産の貸付の場合は不動産所得、山林の譲渡による所得は山林所得になる点は注意が必要ですが、
「事業」として認められるものから生じた所得が事業所得であることがわかります。
事業には「繰り返し」「継続」「独立」要素がある
国税庁HPでは「事業の定義」を以下のように説明しています。
「事業者」とは、個人事業者(事業を行う個人)と法人をいい、「事業として」とは、対価を得て行われる資産の譲渡等を繰り返し、継続、かつ、独立して行うことをいいます。
(1)個人事業者の場合
個人事業者の場合、例えば、小売業や卸売業をしている人をはじめ、賃貸業や取引の仲介、運送、請負、加工、修繕、清掃、クリーニング、理容や美容といった業を営んでいる人はすべて事業者になります。さらに、医師、弁護士、公認会計士、税理士などの人も事業者になります。
税務署から事業として認められるには、「繰り返し」「継続」「独立」して副業を行っている必要があることがわかります。
また、医師・弁護士・公認会計士・税理士などの専門的な資格を持つ仕事はもちろん、小売・卸売・賃貸業・取引仲介・運送・請負・加工・清掃・クリーニング・理容・美容のサービスを営んでいた場合、すべてが事業者として認められるようです。
雑所得は記載説明のいずれにも当たらない所得
国税庁HPでは「雑所得」を以下のように説明しています。
雑所得とは、他の9種類の所得のいずれにも当たらない所得をいい、公的年金等、非営業用貸金の利子、著述家や作家以外の人が受ける原稿料や印税、講演料や放送謝金などが該当します。
「他の9種類の所得」とは以下の通りです。
・利子所得
・配当所得
・不動産所得
・事業所得
・給与所得
・退職所得
・山林所得
・譲渡所得
・一時所得
上記9つに当てはまらない所得はすべて雑所得にとみなされます。
各所得の説明は国税庁HP『No.1300 所得の区分のあらまし』をご覧ください。
事業所得と雑所得を判断する基準・材料
事業所得として、「繰り返し性」「継続性」「独立性」が税務署に認められる範囲はどのくらいなのでしょう。
過去には、大学の准教授が、執筆及び講演等の業務から生じる所得を事業所得として申請したが、裁判で雑所得であると判断された事例があります。
この際の法的解釈の説明文には、事業所得の説明として、
自己の危険と計算において独立して行う業務であり、営利性・有償性を有し、かつ、反復継続して業務を遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められるものである
と記載がされております。
「繰り返し性」「継続性」「独立性」を検討する上で、所得を得た仕事における「営利性」「有償性」「将来の反復・継続意思」「社会的地位」を加味していることがわかります。
まとめると、雑所得にはない事業所得として認められる仕事の特徴は以下の通りです。
・自らリスクを負っている
・自ら計算をしている
・独立して行っている
・営利性/有用性を持っている
・社会的に認められている
・反復/継続している
副収入が事業所得として認められるハードルは高いことがわかりました。
現在、正社員で副業をしている方の副収入のほとんどは、「事業所得」ではなく「雑所得」に該当されるでしょう。
雑所得に当たる副業一覧
では具体的に、雑所得に当たる副業を紹介していきます。税務署の判断次第になりますが、基本的に以下の副業は雑所得に当たります。
・アフィリエイト/ブログ
・ハンドメイド作品販売
・フリマ/オークション
・ポイントサイト
・アンケートモニター
・クラウドソーシング
・株式投資/FX
・代行
・覆面調査
・データ入力
簡単に始められる副業で得られる所得は「雑所得」です。
専門スキルを要する「プログラミング」「翻訳」などの仕事であっても、「事業である」と認められる材料を揃えてなければ、雑所得になる可能性が高いので注意しましょう。
事業所得では「特典ありの確定申告」が可能になる
雑所得ではなく、事業所得であると認められると、通常の確定申告とは異なる青色申告が可能になります。「青色申告」とは、税面で有利な特典を受けられる確定申告の申請方法です。
※青色申告でない申請は「白色申告」と呼ばれています。
日々の細かな記録を申請内容として記入する手間はありますが、その分、受けられるメリットは大きいです。
・青色申告特別控除を受けられる
・赤字を三年間繰り越せる
・家族への給与を経費計算できる
・固定資産が30万円未満なら一括で経費にできる
上記に挙げた青色申告のメリットを順に解説していきます。
青色申告特別控除を受けられる
収める税金が少なくなる控除制度を受けられます。控除額には10万円控除・65万円控除の2種類があり、それぞれ以下のような簿記が必要となります。
10万円控除を受けたい場合:簡易簿記/現金式簡易簿記
65万円控除を受けたい場合:複式簿記
赤字を3年間繰り越せる
赤字となった場合の損失を、次の年に繰り越すことが可能になるので、税金対象となる所得が減り、節税が可能となります。
繰り越し申請を行いたい場合、申告書第四表(損失申告用)の提出が必要になるので注意しましょう。
家族への給与を経費計算できる
青色申告では、事業を手伝ってくれている家族への給料を経費として換算することができます。
つまり、税金対象となる所得から家族分の給与を引けるということです。白色申告ではこの経費計算が行えません。
固定資産が30万円未満なら一括で経費にできる
仕事に使う車・パソコンなどの固定資産は、通常、購入年に全額を経費計算できません。減価償却と呼ばれる算出方法となり、数年にわたって少しずつ経費にしていく必要があるのです。
しかし、青色申告の場合、30万円未満の資産に限り、一括経費処理することができます。
雑所得と事業所得、どちらの場合でも経費計算は可能
事業所得はもちろん、雑所得の場合でも経費計算ができることに注意しましょう。
収入が25万円(確定申告が必要となる基準の20万円超え)であっても、その収入を得るために経費が6万円かかった場合、収益は19万円となります。
この場合、19万円の所得となるので、確定申告の対象とならないのです。経費計算をするためには、事前に経費勘定できる項目を確認しておきましょう。
まとめ
雑所得と事業所得の違い・雑所得に当たる副業・事業所得で可能になる「青色申告」について解説しました。
・アフィリエイト/ブログ
・ハンドメイド作品販売
・フリマ/オークション
・ポイントサイト
・アンケートモニター
・クラウドソーシング
・株式投資/FX
・代行
・覆面調査
・データ入力
など、簡単に始められる副業から得られる所得は、ほとんどの場合「雑所得」となることを覚えておきましょう。
また、副収入を事業所得とするために、税務署から「事業」であると認められるハードルは高いです。
・自らリスクを負っている
・自ら計算をしている
・独立して行っている
・営利性/有用性を持っている
・社会的に認められている
・反復/継続している
上記の点を抑え、事業所得申請に向けての準備を進めましょう。
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