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元起業家CHROの問題提起「マネージャーが未来を考えていない組織は弱体化する」

 スタートアップ、ベンチャー企業を経験した後、現在弊社CHROとして最高人事責任者を務めている八並。採用や教育、広報といったHR領域のみならず、グローバル戦略、国策事業への参入を見据えた新規事業推進にまで活躍の場を広げ続けています。

 今回は、彼が提起する「マネージャーが未来を考えていない組織は弱体化する」という言葉の真意について探っていこうと思います。

制度や研修だけでは「人は育たない」マネージャーが意識すべき時間軸

――早速ですが、「マネージャーが未来を考えていない組織は弱体化する」という言葉の真意について教えていただければと思います。

 経営者は、未来を創る活動をしなければなりません。私たちエージェントは「問題解決ができる人財を創るエコシステム」を実現させようとする会社です。そんな会社を背負う上で、意識すべき時間軸が「未来」です。

 「今」を考えることは大切です。役職について間もない職責者に課せられるプレッシャーは大きい。「前任者から業績を落とさないようにしないと」「部下をまとめあげなければ」…そんな不安を抱え、「今」をどうにかすることにしか目が向かなくなってしまうことは往々にしてあると思います。

 しかし、私たち職責者に求められるのは「現状維持」ではありません。課せられた仕事に対しての結果を出しながら、並行して未来を描くための活動――未来を描くために必要な知識や知見のインプット、協力していただけるネットワークを構築しておくこと――が必要になっていきます。そうでないと、いつまでたっても1マネージャーで停滞してしまうと思うのです。

――「未来を創る」というのは、具体的にはどういった意味でしょうか。

 重要なポイントは「循環させていくこと」だと思っています。「未来」というのは「次世代」と同義です。構築したものは、どんどん次世代に任せていくべきだと思います。

 「任せていく」ということに億劫になる気持ちはよくわかります。自分で行動していれば、その結果に納得できるし、自らの力量もわかった上で大きなミスなく運用できる。教えていくのにも時間がかかりますしね。しかし、任せることを避けていては次世代は成長していきませんし、自分自身も新しいことへチャレンジはできません。逆を言えば、自分がチャレンジしない限り、部下は永遠に昇進できない。キャリアが頭打ちになってしまう。当然モチベーションも下がってしまいます。ただ、無闇に任せていけばいいわけでもありません。再現性のある仕組みを構築してから任せていくことで、はじめてバトンを渡せる状態になります。

 任せられる側には当然プレッシャーがかかるでしょう。初めて行う業務、責任も大きくなります。 それは苦しいけれど、乗り越えれば必ず成長できるはずです。乗り越えた数だけ自分のレベルアップにつながり、成長した人が増えればその分自社の平均水準も高くなる。未来を考える人が増えれば、育てられる次世代も増えていく。そんな好循環を創り出せます。

未来を創り出すために、職責者が取り組むべきこと

――「未来を創る力」を身に付けるためには、私たちは何をすれば良いのでしょうか。

 知識のインプットと、人脈の構築に時間を投資することは重要だと思っています。自分ひとりの力だけでは限界があるので、自分に足りない部分を補うための準備はしておいて損はない。

  行動はし続けるべきだと思います。行動ができない場合というのはリスクを恐れてのことが多い。何かを選択すれば何かを失うのは当然ですよね。「今日のお昼は和食にしよう」という選択を取れば、今日のお昼に中華を食べる未来は失われるのですから。失うことは怖い。だから行動することは怖いと思います。

  しかし、私個人としては行動しない方がリスクが高いことが多いと思っています。人生は有限。ならば、行動した時間の方が自分にとって有益だと思います。行動したことによるリスクと、行動しなかったことでできたリスクを可視化し、比較した上で判断できれば理想的ですね。

 制度面では弊社の場合、職責に就いたメンバーには、事業創出やPL管理等積極的に任せるようにしています。そこで生じる責任は、現状ではそのメンバーにとって大きすぎるものかもしれません。しかし、いつまでも自分にとって心地いい環境にいては成長できないと思うんです。高いレベルに無理矢理自分を合わせていくことで自ずと成長できる部分もあると思います。

――「どのように行動すればよいかわからない」というケースもあると思いますが、その場合はどうしたら良いでしょうか。

 そうですね。そういうケースももちろんあると思います。しかし「行動するための行動」と考えればできることは増えるのではないでしょうか。誰かに相談するでも良し、アンテナを多方面に張って知識を蓄えるでも良し。 そうやって知見を広げていけば見えてくるものもあるのではないでしょうか。

もやもやを抱えた人にこそ、入社してほしい

――これからも採用活動は継続します。今後メンバーとして、どんな方を迎えていきたいですか。

 もやもやを抱えている人にこそ、エージェントに入社してほしいと思います。悩みを抱えていない人なんていません。それに対してのアクションは何でもいいんです。事業に挑戦したり、相談したりしながら、弊社の中で何か糸口が見つかれば嬉しいな、と思います。

 私自身も、可能性や想いを実現できる組織を作っていきたいと思っています。これからお会いするかもしれない未来のメンバーには、自分自身が想っている素直な気持ちを面接で話してほしいです。そしてどうやったら、その想いを形にできるか、一緒に考えられると素敵ですね!

八並嶺一(Ryoichi Yatsunami)

株式会社エージェント 執行役員CHRO(最高人事責任者)。
学生時代から起業に興味を持ち、自ら飲食店を経営。卒業後はフリーランスとして広告代理事業・営業代行を行う。 大学卒業後、スタートアップ、ベンチャー企業2社経験後、エージェントに入社。人材紹介・派遣事業の立ち上げ後、HR(ヒューマンリソース)事業部へ。現在は、CHROとして「採用」「人材開発」「コーポレートコミュニケーション」をメインに事業推進している。

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